自分にあったたんぱく質の量って知ってますか?『9割が間違っている「たんぱく質」の摂り方』

By つるた ちかこ

ほんの数年前まで、プロテインはまずいもの……というイメージでしたが、朝食代わりや筋トレのお供に飲んでいる人も多く、すっかり健康ドリンクの印象が付きましたよね。

また、サラダチキンや大豆といった“たんぱく質”にも注目が集まり、1食あたり20g程度のたんぱく質を食べることが推奨されています。好きなものを選んで食べられる飽食の時代、栄養面から考えて本当に必要な栄養素は取れているのでしょうか?

管理栄養士・金津里佳さんの新書『9割が間違っている「たんぱく質」の摂り方』(金津里佳・著/青春出版社・刊)によると、たんぱく質は量じゃない、どれだけ消化吸収されているかが大切だ書かれてありました。今回は、たんぱく質の正しい摂り方についてご紹介します。

たんぱく質のとりすぎは、体調不良にもつながる?

健康にいいと言われている栄養素は、積極的にとりたい! と思うのは自然なこと。しかし、体にいいもの「だけ」を食べるのは体調不良につながってしまうのだとか。SNSなどでも、たんぱく質をたくさん摂取する方法などが紹介されていますが、食べる量を増やすだけでは体にとって悪影響になってしまうこともあるのだそう。金津さんは次のように話します。

つまり、重要なのは、たんぱく質を“食べる”量ではなく、たんぱく質を“消化吸収できる”量。現代人の場合、たんぱく質を消化吸収できる量が少ないためにたんぱく質不足になっている人が多いように思います。

(『9割が間違っている「たんぱく質」の摂り方』より引用)

体にいいものはたくさん食べたほうが良いと思ってしまいますが、消化吸収されなければ、たんぱく質が体の中にたまり、消化不良を起こしてしまうとのこと! ちなみに、たんぱく質がうまく消化吸収できていない人は、お腹の調子を崩すそうです。

たんぱく質不足は、メンタルもやられる!?

たんぱく質がうまく消化吸収できていない人は、なんとメンタルにも影響があるのだとか。これはドーパミンなどの神経伝達物質やホルモンが関係していると言われています。ドーパミンは最初から私たちの体内に備わっているわけではなく、口から摂った栄養素を原料にして体内で生成されるものだからです。

そのもっとも重要な原料が、たんぱく質です。またビタミンB群や鉄も併せて必要です。
このように、たんぱく質不足をはじめとする栄養素の不足は、意欲や集中力の低下に大きく栄養します。

(『9割が間違っている「たんぱく質」の摂り方』より引用)

体を健康にしないと、心も健康になれないということですね。なんとなくやる気がわかないと感じている人、日々「ま、いいや」と諦めることが増えてきた人は、食事の内容を見直してみてはいかがでしょうか?

そもそも、たんぱく質のある食事ができていないなんてこともあるかもしれませんよ。スーパーやコンビニで何かを買う際、どれくらいたんぱく質が含まれているかチェックしてみるのがおすすめです。

自分に合ったたんぱく質の量を摂取しよう

『9割が間違っている「たんぱく質」の摂り方』の中で繰り返し書かれているのは、「たんぱく質の摂取量は一定ではない」ということ。一人一人が消化吸収できるたんぱく質の量が違うため、「1日〇〇グラム摂取しましょう」とは書かれていないのです。では、どうやって自分に合う、たんぱく質の量を測ったら良いのでしょうか?

私がおすすめするたんぱく質の量は、その人が「気持ちよくお腹いっぱい」になれるマックスの量です。
肉や魚、卵を中心に、足りない場合は大豆製品などをプラスして摂ってください。食事中に少しでも胃もたれなど感じたら、すぐに箸をおいてください。

(『9割が間違っている「たんぱく質」の摂り方』より引用)

つまり、自分で試行錯誤して見つけていくしかない! ということ。めっちゃむずい……。この時に気をつけてほしいのが食べる順番なのだとか。たんぱく質 → 野菜・汁物 → ご飯と、糖質は最後に食べるようにすると、少しずつ体の変化を感じられるようになるそうです。また、自分に適正なたんぱく質が食べられている人は、間食なども減り、ちゃんとお腹いっぱいを感じられるようになるのだとか。

今回ご紹介したのは、ほんの一部。毎日の食事ですので無理をせず、焦らず、少しずつたんぱく質の量を増やしていくことを意識していきましょうね。気になった方は『9割が間違っている「たんぱく質」の摂り方』を読んでみてください。自分にあったたんぱく質の量を摂取し、本当の意味での健康を手に入れましょう。

【書籍紹介】

9割が間違っている「たんぱく質」の摂り方

著者:金津里佳
発行:青春出版社

食べているのに、吸収してない!? 最新栄養学でわかったきちんと「消化吸収」できる食べ方とは。たんぱく質ブームの落とし穴。

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