【80年代アニソンの魅力】キャラ設定はルパン三世「銀河旋風ブライガー」は宇宙の仕事人  宇宙を舞台にした必殺仕事人!「銀河旋風ブライガー」

ロボットアニメ史上に燦然と輝く「銀河旋風ブライガー」の主題歌

“銀河旋風” “銀河烈風” “銀河疾風” …。これらの4文字に思わず心躍った方は間違いなく同志である。1981年より国際映画社で製作された『銀河疾風ブライガー』、’82年第2作『銀河烈風バクシンガー、’83年第3作『銀河疾風サスライガー』の通称 “J9シリーズ” を覚えておいでの方々だからである。ちなみに “J9” とは、この3作品に共通して登場するチーム名だ。各々作品内キャラクターは全くの別物だが、初作の人気・イメージを踏襲し、この三作はJ9シリーズと呼ばれる。

『宇宙戦艦ヤマト』が開拓し、『機動戦士ガンダム』が育てたSFアニメをさらに一歩進め、主役ロボを操縦する主人公を『コン・バトラーⅤ』『ガンダム』『ダンガードA』などにみられる “正義感に燃える少年” から、「情け無用!」を合言葉に報酬の対価として悪党どもを叩く “ひと癖もふた癖もあるその筋のプロフェッショナルたち” に設定。ロボットアニメ・ファン層の新たな獲得にひと役買った。

 夜空の星が輝くかげで
 ワルの笑いがこだまする
 星から星に泣く人の涙背負って宇宙の始末
 銀河旋風ブライガー
 お呼びとあれば即参上

ハッタリの効いたイントロと渋いナレーションで始まる、たいらいさおが歌う同名主題歌は、伝説のアニメーター金田伊功作画のオープニングと相まってロボットアニメ史上に燦然と輝く格好良さだ。

宇宙を舞台にした必殺仕事人

「ロックアルバムを聴いたような気分になれるアニメを」

ーー とは監督の四辻たかおの言葉だが、作詞・作曲は『燃えよドラゴンズ』や『タイムボカンシリーズ』などですでに実績のあった山本正之。そして「ブルーライト・ヨコハマ」「喝采」などで実力は折り紙付きの高田弘が編曲を担当した。

ルパン三世を下敷きにしたハイティーン・キャラ設定に、内容は “宇宙を舞台にした必殺仕事人”。これらが山本正之の書いたロックンロールに見事融合。そして塩沢兼人、森功至、麻上洋子、曽我部和行といった豪華声優陣。主人公のブラスターキッドがガンマンなのにダブルネックのギターを抱え、画面に向かってピックを弾き飛ばしてみせるクールな画。主題歌も挿入歌もキャラクターも当時のティーンエイジャー、特に女性アニメファンから熱い支持を受けた。

エレキギターの響きで始まる男性ツインボーカル

当時高校生だった私は、アニメ雑誌に載ったJ9コスプレイヤーたち(コスプレショップなど存在しなかったので当然皆さんの手作り)、それも男性キャラを演じる女性レイヤーたちが多かったのをよく覚えている。人気のほどはロマンアルバムと呼ばれる設定資料集や後日談の小説、オリジナルサウンドトラックのLPも複数枚発売されたことからも伺える。アニメ仲間の中にはこの “アニメ主題歌のロックンロール” にしびれまくり、コピーバンドを結成した猛者も居たほどだ。

1982年には『ブライガー』の人気を受けての続編『バクシンガー』が始まるが、物語はブライガーから600年後の設定で、オープニング冒頭のナレーションが「J9って知ってるかい?昔太陽系で粋に暴れ回ってたって言うぜ…」と何とも前時代的だが、こちらの主題歌もエレキギターの響きで始まる男性ツインボーカルの超ロックンロールだ。

主題歌は番組タイトルを連呼するなど '70年代ロボットアニメのセオリーはしっかりと踏襲しつつ、それでいて軽快な8ビート。『マクロス7』より遥か10年以上前に、ロボットアニメとロックナンバーが融合した初体験に心揺さぶられた自分は幸せだったと今も思う。

カタリベ: ナカシマ ヒデキ

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