2023年の発売当初から「限界使用温度マイナス41℃」が話題になっているDODの最強寝袋『スーパータラコデラックス』の暖かさを、真冬の本栖湖で検証してみました。その真価やいかに?!
DOD最強寝袋「スーパータラコデラックス」とは
2023年の販売直後から「驚異的な暖かさを誇る商品スペック」が世間をざわつかせたDODの最強寝袋「スーパータラコデラックス」。
最大の特徴は「使用温度」です!
メーカーが公開している対応温度は…
ということで、ちょっと目を疑うような性能です。
ちなみに。日本最寒記録が北海道の幌加内町マイナス41.2℃。
ただし、この記録は1978年に叩き出されたものですから、温暖化が進む現在は、おそらく日本国内ではスーパータラコデラックスの限界を超える気温になることはないかと…。
しかし、スーパータラコデラックスのマイナス41℃はあくまで「限界」です。寒さの感じ方は人それぞれですが、一般的には「快適使用温度」を目安にすることが推奨されています。
一方で、「快適使用温度」をとってみてもマイナス11℃ですから、国内の厳冬期のキャンプでは、極度の寒がりさんでも確実に暖かく眠れるシュラフだと思います。
今回は、ハピキャン編集部がDODから特別にスーパータラコデラックスをお借りして、「1月の本栖湖(富士五湖)」で、その真価を検証してきました!
どれくらい暖かいの?実証実験
スーパータラコデラックはどれだけ暖かいのか?
まず、その暖かさの仕組みを確認します。
スーパータラコデラックスの暖かさの仕組み
スーパータラコデラックスの暖かさの仕組みを紐解くと、「ダウン + 化繊 + モフモフ毛布の合わせ技」であることです。
790gのダウンと660gの化繊、合計1450gの中綿になっているのですが、この数字だけ聞いてもイメージできないかもしれませんね。
私が実物を触ってみた感じでは、「しっかりした冬用の毛布」くらいの分厚さでした。
シュラフの内側が本当に毛布素材になっているので、入った瞬間から暖かいんです!これには本当に驚きました。
一般的な高性能ダウンシュラフであっても、内側がナイロン生地だとかなりヒヤッとします。私はいつも、厳冬期のキャンプでは、ダウンシュラフの内側にフリース素材のインナーシュラフを入れているのですが、インナーシュラフは大した厚さはないので、スーパータラコデラックスほど、「ふわふわっ」とした弾力・クッション性は感じられません。
スーパータラコデラックスは、たまらないモフモフ感です〜!
さて。ここからは、暖かさを検証していきます。
気温5℃のテント内では…
この日私が「暖かさ検証キャンプ」で訪れたのは、1月末の本栖湖。ゆるキャンの聖地でもある洪庵キャンプ場です。
富士五湖は標高が高めなので、GWくらいまでは冬用シュラフがあった方が安心なエリア。1月〜2月は雪が積もることもある寒さだと聞いていました。スーパータラコデラックスの真価を確認するのには、ぴったりな環境かと思います。
まずは、気温5℃のテント内で寝袋に入ってみます。
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暖かい!!!
正直、普通の服装ではちょっと暑いです。これは、下着になっても大丈夫な暖かさでした。
私が普段使っているモンベルの800FPのダウンハガー(快適使用温度マイナス1℃)と比べると、断然、スーパータラコデラックスの方が暖かい!寒がりな方でも全く問題ないと思います。
冬キャンプではいつも暖房器具を使っている私ですが、スーパータラコデラックスであれば暖房は不要だと感じました。
気温マイナス3℃の環境では…
続いて。
普通はこんなことしないと思いますが、マイナス3℃の外で寝袋に入ってみます。
時は午前6時。一番寒い時間帯です。
外気に剥き出しでさらされている環境ですから、寒いに決まっている状態です。
内側がモフモフの毛布になっているから、やっぱり入った瞬間にすでに暖かいです。
寝袋の中へしっかり潜り込んでみると…
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あれ?不思議なくらい全く寒くない!
テントの中にいた時の暖かさとの違いが分かりません!
これは…野宿のように外で寝られます。この日の気温、マイナス3℃くらいでは、全く問題ないです!
これなら、天体観測もぬくぬくしながら楽しめそうです。
ちなみに。
こんなふうに、足だけ入って外の景色を眺めることも。足だけでもすっごく暖かかったです。
この日は残念ながら、最低気温がマイナス3℃だったため、快適温度マイナス11℃ではどんなものなのかを検証することはできませんでした。
しかし、私が実際に外で寝袋に入ってみた感じでは、おそらくマイナス11℃でも寒くないと思います!寒くない…というか、暖かいと思います!
気になるのは収納時…ちゃんとしまえるのか?
さてさて。
スーパータラコデラックスで、気になっていたポイントがもう一つありました。
「簡単にしまえるのか?」という点です!
暖かい寝袋あるあるかもしれませんが、モコモコしたシュラフは、収納袋に入れるのがめちゃくちゃ困難なケースって多くないですか?
スーパータラコデラックスは、ダウンと化繊の2重構造、内側が毛布になっていて、全体では5層にもなります。容積もかなりのものなので、収納袋へ入れるのは、きっとめちゃくちゃ大変なんじゃないかな…。
やってみましょう。
第一段階…まずは収納袋へ入れる!
スーパータラコデラックスの収納袋は、「圧縮機能」が付いているというのも特徴の一つです。一般的には、"コンプレッションバッグ"と呼ばれる機能ですね。
とりあえず、まずは第一段階「収納袋へ入れる」をやっていきたいと思います。
えっと…。入る気配がしません。(汗)
しかし。
予想に反して、スムーズに入っていきます。ドラえもんの四次元ポケットのような感じ。
あまり力は要りませんでした。
ジッパーをしめていきます。
こちらも、ジジジ〜っと簡単にしまっていきますね。
入っちゃった。
正直、モンベルのダウンシュラフや、コールマンの化繊シュラフを収納袋に入れるときよりも、簡単でした。(↑これらは収納袋が小さいのでかなり大変っ)
全然苦にはなりませんね。
さてさて!ここからが本番。圧縮用のジッパーをしめ上げていく…第二段階です!
第二段階、さらに圧縮します
第一段階から第二段階へ進むには、収納服の胴体に付いている螺旋状のジッパーをしめていく方式です。
さすがに「おりゃぁぁぁ〜!」でした(笑)。
膝で上から押し込みながら、ジッパーを締め上げていきます。
しかし、この工程も、「ミッションインポッシブル」ではありませんでした。上から乗っかれば、ジッパーが徐々にしまっていきます。
しまりました!
しまった状態の分厚さは、2Lペットボトルくらいです。
第一段階ではこれの倍くらいあったので、圧縮すると前後比では「コンパクトになるなぁ〜」と感じます。(あくまで"前後比"ですが…)
横から見ても同じくらい(2Lペットボトル)の高さなので、キューブのような感じになります。
…ということで、収納袋が四次元ポケットだったので(笑)、収納はそんなに大変ではありませんでした!
スーパータラコデラックスのおすすめポイントはここだ!
それでは、最後に、スーパータラコデラックスを実際に使ってみて感じた「おすすめポイント」をまとめます。
【その1】本当にめちゃくちゃ暖かい
外気温マイナス3℃の「外」で使っていても、寒さをほぼ感じませんでした。内側のモフモフ毛布と、ダウン&化繊の最強の重ねの威力…すごいです。
【その2】インナー付きオールインワン
シュラフの内側のナイロンの「ヒヤッとくる感じ」が苦手な方でも、インナーシュラフは不要です。
【その3】使用温度性能に対して考えると価格はとても安い
スーパータラコデラックスの価格は、税込29,700円。DODのアイテムとしては高めな印象。
しかし、快適使用温度がマイナス11℃という性能を考えると、むしろすごく安いです!
参考までに、モンベルの最も暖かいダウンシュラフは快適使用温度がマイナス12℃で価格をお伝えすると、税込74,250円です。収納時サイズと重量の点でモンベルの方が優れてはいるものの、暖かさだけを求めている方には、めちゃくちゃ安いと感じるはずです。
【気になる点を挙げるとしたら】大きさかな…
難点を挙げるとすると、やはり大きさです。圧縮をかけた収納時のサイズ感でも、一般的な冬用シュラフ1.5〜2個分くらいの大きさがあります。
ただし、車で行くキャンプであればあまり問題はないと思います。
スーパータラコデラックス検証まとめ
スーパータラコデラックスの「本当に暖かいのか検証」はいかがでしたでしょうか。
寒さに不安があって冬キャンプを敬遠されている方がいたら、絶対におすすめしたい寝袋です。極寒のキャンプ地でも、朝までぐっすり間違いなし!
大人気商品のため、時期によっては品薄になることもありますが、真冬のシュラフを検討されている方は、ぜひその候補にスーパータラコデラックスを加えてくださいね。