2024年「首都圏住みたい街ランキング」意外な街が人気急上昇で気になる

不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」より、「2024年 LIFULL HOME'S みんなが探した!住みたい街ランキング」が発表されました。

【表あり】首都圏版「住みたい街ランキング」TOP10&人気急上昇の街

“住みたい街ランキング”はよくいろんなところで発表されていますが、今回のランキングはアンケート調査を集計したものではなく、2023年における実際の物件問合せ数からユーザーの「本気」で住みたい街を算出したもので、住まい探しの「いま」が分かるランキングになっています。

ではさっそく首都圏1都3県で「住みたい」欲求が高まった街、第1位~3位を見ていきたいと思います。

まずは「みんなが探した!借りて住みたい街」ベスト3!

※平均家賃は40m²、中古マンション平均価格は60m²あたりに換算しています。

首都圏版「借りて住みたい街」ランキング

第3位:八王子 平均家賃70,876円

「借りて住みたい街」ランキング第3位 八王子

3位はターミナル性が高い「八王子」がランクインしました。都心方面に乗り換えなしでダイレクトにアクセスでき、終電も夜遅くまであります。

また駅周辺の繁華街も発達していて、都心近郊の街と大きく変わらない生活利便性、郊外ならではの手頃な家賃相場が人気の理由のようです。

第2位:葛西 平均家賃 96,558円

「借りて住みたい街」ランキング第2位 葛西

コロナ禍で一時、郊外に注目が集まりましたが、最近は若年層を中心に都心回帰の傾向も高まっているようです。

中でも2位の「葛西」は昨年の6位から上昇し、初めてTOP3にランクイン!

東京メトロ東西線の駅で千葉県浦安市と隣接し、都内でありながら比較的家賃が安いエリアとして知られています。

そのため、初めて上京する賃貸ユーザーからのニーズが高く、近年ではインバウンドの需要も高まっているようです。

第1位:本厚木 平均家賃 64,935円

2021年のコロナ禍以降、郊外型エリアのニーズが継続して人気。「本厚木」が4年連続してTOP1に輝きました。

厚木市が居住誘致に力を入れているのと、物件の平均賃料も7万以下で借りられるという安さも魅力のようです。

神奈川県小田急小田原線本厚木駅は、新宿まで50分程度でアクセスが可能。またここ数年の開発によって駅周辺の繁華性が高まり生活利便性も更に向上。

賃料のやすさと交通アクセスの良さのバランス加えてコロナ後も物価高騰で、比較的賃料水準が低い「本厚木」周辺での賃貸ニーズが高まったようです。

なお4位以降は大宮(4位)、三鷹(5位)、柏(6位)など比較的都心からアクセスがいい場所がランクインしました。

首都圏版賃貸ヒートマップ

最近の傾向として、テレワークの継続や物価高が続いていることもあり、首都圏における郊外エリアでの賃貸ニーズは依然高いようです。

ですが、2位に東京都でありながら比較的賃料水準が安く、アクセスもいい葛西(江戸川区)が6位から2位に上昇、8位にランクインしている北千住(足立区)は昨年より12ランクアップしていて、かなり注目を浴びています。

都心方面へと回帰する動きも明確になっていて、コロナ後の新たな動きとして郊外ニーズと都心回帰の二極化になってきているそうです。

続いて、「みんなが探した!買って住みたい街ランキング」ベスト3を見ていきましょう。

首都圏版「買って住みたい街」ランキング

第3位:大宮 中古マンション平均価格1,850万

「買って住みたい街」ランキング第3位 大宮

大宮は非常に大きなビッグターミナル駅に成長、埼玉県では根強い人気があります。

新たな北の玄関口とも言えるそうで、北陸・東北エリアに本社がある企業のアンテナの場所も設置され、住む人が増えているそうです。

新宿まで30分、渋谷までも35分という交通利便性と買い物なども便利な生活利便性のバランスが良い場所として、「借りて住みたい街ランキング」でも4位と不動の人気を誇ります。

第2位:平塚 中古マンション平均価格2,428万

「買って住みたい街」ランキング第2位 平塚

2位は神奈川県の平塚がランクインしました。

海が近いエリアの中でも物件が安く、ダイレクトにすぐ都心にいけるのも人気のベッドタウン。

ファミリー層を中心に都心周辺から郊外方面で交通および生活利便性の高いエリアを積極的に選択する傾向が年々明確になり、安定して上位を維持しているそうです。

第1位:勝どき 中古マンション平均価格7,356万

「買って住みたい街」ランキング第1位 勝どき

第1位に選ばれたのはオリンピック・レガシーの物件が位置する「勝どき」です。

価格面でも広さでも規模でも優位性が郡を抜き、2020年から5年連続となる1位を獲得、圧倒的な強さを示していました。

まだまだ分譲も増えているので、この人気は続きそうとのことです。

先ほども記しましたが、全体として最近は若年層単身者20~30代前半に都心転入が増え、35歳以上のファミリー層は都心転出者が増えている二極化傾向にあるそうです。

賑やかでオフィスも近い都心周辺に住みたい若年層に比べ、ファミリー層は自然環境も良くて賃料も安く広い物件がある郊外型ニーズが増えているようです。

首都圏版売買ヒートマップ

「借りて住みたい街」で1位の本厚木は、買って住みたい街の6位、同3位の八王子は4位に選ばれていて、賃料が安く、都心にもアクセスしやすく、生活利便性のいい「コスパが高い街」がここ近年の人気の秘密のようです。

最後に、次にくる注目の街として「LIFULL HOME'S」が発表した中で、特に気になった街をピックアップしてみました。

次にくる!? 人気急上昇の街

(東京)北綾瀬(足立区/東京メトロ千代田線)

同じ「綾瀬」でも、そこから1駅の支線にある「北綾瀬」がいま注目を浴びつつあるようです。

「綾瀬」と比べると平均家賃は1.5万ほど安く、安売りスーパーなどもあって、生活コストが抑えられるのが魅力なようです。

2025年の夏にはスーパーや大型フードコートなど約50店舗が入る駅直結の商業施設も開業予定で生活利便性もより高まりそうです。

(神奈川)橋本(相模原市/JR横浜線ほか)

橋本(相模原市/JR横浜線ほか)

この街の注目ポイントは2027年リニアの開業に向け、新駅が予定されている、つまり再開発の機運が高まっているということです。

また都営新宿線の始発駅で、JR横浜線・相模線と3線の始発が出ていて、都心が多少遠くてもゆったりと座って通勤ができるのも魅力です。

橋本から30分で、川沿いキャンプや海・山が楽しめ、オンとオフが分けられるのもファミリー層を中心に人気が高まっているようです。

(千葉)八街(八街/JR総武本線)

八街(八街/JR総武本線)

千葉県は浦安も注目エリアに挙げられていたのですが、あえて八街(やちまたと読むらしい)というエリアをピックアップしてみたいと思います。

このエリアは新築というより、中古の家が多いそうですが、買って住みたい街5位にランクインしていました。

のどかで空が広く、テレワークを長く続けている人の需要が多いようです。

中古マンションの平均価格も1073万円と安く、JR総武本線特急で東京駅まで約1時間、千葉駅まで約30分。、毎日の都心への出勤がなく、余暇も充実させたい人を中心に人気のようです。

(埼玉)蕨(蕨/JR京浜東北・根岸線)

蕨は埼玉県40市の中で最も小さい市なのに、人口密度は日本の中でもトップクラスだそうです。

古いアパートも多いけれど、再開発が進んでいるそうで、買って住みたい街では15ランクアップして急上昇!

東京駅から約30分とアクセスも良く、エモさ、懐かしさが感じられるタイムスリップしたような町並みも魅力のようです。

ユーザーが「本気」で住みたいと思っている街を紹介してきましたが、賃料の安さと交通アクセスの良さがいい「コスパの良い街」に、リアルな注目度が高まっているようです。

これから住まい探しをする人はぜひ、このランキング結果を参考にしてみてください。

(参照)「2024年 LIFULL HOME'S みんなが探した!住みたい街ランキング」

(ウェルなわたし/ 後藤 晴美)

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