【漫画】親友に裏切られた女子高生、復讐を決意するが……相手のフェロモンに負けそうなSNS漫画が尊い

恋愛漫画にファンタジー要素が加われば、これまでにはない真新しいドラマが展開される。Xに2月上旬に投稿された『復讐相手のフェロモンに負けそうになる話』は、ほど良いファンタジー要素がスパイスとなり、可愛らしさが増した“百合漫画”だ。

因縁の同級生・艶島乙葉が通う高校に復讐のために編入した高校1年生・花房羽友里。かつて同じ小学校に通い、親友と呼べるほど仲が良かった2人。しかし、羽友里は以前、自分が想いを寄せている男子生徒に、乙葉が「羽友里ちゃんって地味だしさ」「私と付き合ったほうが楽しいよ」と話していた様子を偶然盗み聞きしていた。このことをキッカケに羽友里は乙葉を恨むようになり、いよいよ復讐を果たそうと目論むが、乙葉は「女の子を惚れさせるフェロモン」が出ていることに悩んでいてーー。

本作を手掛けたのは、小さいころに友達から漫画を借りた時、「自分でも作品を作ってみたい」と思ったことをキッカケに漫画制作を始めるようになったという蒼樹めいさん(@mei_ao23)。その後、漫画系の専門学校に入学して、コマ割りや話の作り方などを勉強してレベルアップできたと振り返る。そんな蒼樹さんが本作をどのようにして描いたのかなど話を聞いた。(望月悠木)

■“好き”を詰め込んだ作品

――なぜ『復讐相手のフェロモンに負けそうになる話』を制作しようと思ったのですか?

蒼樹:「ワクワクする百合作品を描きたい!」「とにかく楽しい話にしよう」と思って制作しました。そのうえで、私自身が「実際に会ってみたい」「一緒にいたら楽しそう」と思えるキャラクターを描こうと考え、“黒髪モテモテ美少女に振り回される主人公”という構図が浮かびました。また、プラス要素として「フェロモンがあるとキャラクター的にもストーリー的にも展開感が生まれて楽しいかな」と考えました。

――羽友里と乙葉は「実際に会ってみたい」「一緒にいたら楽しそう」という気持ちから誕生したキャラということですか?

蒼樹:そうです。とにかく自分の好きな要素を詰め込んでいます。「並んでいたら可愛いだろうな」と思う女の子を思い浮かべました。羽友里は小さくて可愛らしく、対比として乙葉は色っぽく妖艶なイメージで描きました。

――恋愛感情が激しく揺れ動いている様子が描かれていました。

蒼樹:瞳の描き込みや髪の毛のなびき方など、美しく見せたいシーンの表情は力を入れて描きました。また、「お互いが惹かれ合う様子に説得力を持たせたいな」ということは強く意識して制作しています。

――ちなみに、特に気合を入れた表情はどれですか?

蒼樹:29ページ目の“乙葉が羽友里に笑いかけるシーン”です。「羽友里のことがいかに大好きであるのかを伝わるように一番可愛くしよう」と思って描きました。ただ、「乙葉はフェロモンを振りまいているので、どのシーンも美少女に仕上げよう!」と力を入れて描いています。

■コンペに参加中

――陰キャならではの葛藤、陽キャならではの葛藤が描かれる作品でもありました。2人の葛藤はどのようにして表現したのですか?

蒼樹:私自身消極的な部分があるため、羽友里の心情は想像しやすかったです。また、子供の時に友達と喧嘩したことを思い出して、実際はすれ違っていただけだったというケースは良くありました。ですので、そういった部分も2人に置き換えてネームを描きました。

――続編がありそうな終わり方でもありましたが、続きのストーリーは描く予定は?

蒼樹:現状予定はありません。ただ、ありがたいことに「続きを読みたい」と言ってくださる人もいるため、「時間があれば描きたい」という思いはあります。

――最後に今後の漫画制作における予定などあれば教えてください。

蒼樹:現在「マンガMee」主催の連載コンペ・チャレンジMee2月期で、『俺は恋する女の子』という作品で参加しており、2月24日まで掲載されています。“主人公の悠里が初恋の女の子と再会するもののなんと女体化してしまう”というストーリーです。グランプリを獲得できれば本連載になるのですが、物語の最後のページに“エールボタン”を押してもらえると連載権の参考になるため、読んで気に入ってもらえれば応援していただけると嬉しいです。

――ぜひ多くの人に読んでもらって、エールボタンを押してほしいですね。

蒼樹:はい。私自身まだ連載したことがなく、「今年中には何か結果を残せたらいいな」と思っています。また、叶えたい夢としては「自分の作品のグッズがほしい!」と常々思っています。私自身オタ活が趣味なので。

(取材・文=望月悠木)

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