「長崎市民、お金何に使う?」カステラとアジが支出トップに 

長崎市で支出額が高い/低い主な品目

 カステラやかまぼこはよく買うが、自転車には興味がない-。総務省が全国主要都市を対象にした2023年家計調査のデータをひもといてみると、こんな長崎市民の姿が浮かび上がった。
 家計調査は都道府県庁所在地や政令指定都市の計52市などから抽出した約9千世帯を対象に、600品目以上の商品やサービスへの消費支出額を調べる。県内では長崎市の約90世帯などが対象。大都市に比べサンプル数が少なく、1世帯の影響が大きくなるため注意が必要だ。ここでは、2人以上の世帯を見てみよう。
 支出額は全国平均の352万7961円に対し、長崎市は314万6913円。過去10年、額の順位は常に下から数えた方が早い。20年以降46位を維持していたが、23年は青森と大阪に抜かれ48位となった。
 品目別では「カステラ」が5884円で全国1位で、2位以下を4700円も引き離している。過去10年さかのぼっても不動のトップ。水揚げ量を誇る「アジ」、おでんの定番となる「魚肉練り製品」や「揚げかまぼこ」も上位の常連だった。
 斜面地が多い土地柄もうかがえる。「自転車購入費」は全国平均が例年4千円台で推移しているのに対し、長崎市は500円以下と極端に低い。逆に「年極・月極駐車場代」は近年、高止まりが続く。23年は全国2位の3万4030円で、全国平均1万5237円の2倍以上になった。ちなみに22年は全国1位だった。
 ほかに「合いびき肉」が1位、「チョコレート」が最下位と意外な結果も。県外では近年、「ギョーザ」や「中華そば(ラーメン)」の支出額を地域活性化に生かそうとする市もある。家計調査のデータに目をこらすと、長崎市でも思わぬ“起爆剤”が見つかるかもしれない。

© 株式会社長崎新聞社