長崎市出身元Jリーガー御厨貴文さんプロ審判に プロ選手からの転身は初

プロ選手からプロの審判員に転身した御厨氏=千葉県内(日本サッカー協会提供)

 日本サッカー協会(JFA)は1日付で、元Jリーガーで1級審判員の御厨貴文氏(39)=長崎市出身=とプロフェッショナルレフェリー契約を結んだ。23日開幕のJリーグで「審判のプロ」としてピッチに立つ。プロ選手からプロの審判員に転身する初めての事例。
 プロフェッショナルレフェリーは、審判員が国内や国際大会で高いパフォーマンスを発揮するためにJFAが導入した制度。現在、主審14人、副審5人が選ばれており、長崎県出身者としても初の選出となった。審判業のほか、講演活動や審判員の指導育成などの業務もある。
 御厨氏は土井首中、海星高、大体大を経て、2007年に当時J1の甲府でプロ生活をスタート。甲府、群馬、富山でJ2通算159試合に出場し、引退後に審判の道に進んだ。
 Jリーガーから審判員への転身は極めて例が少なく「選手心理を知る貴重な人材」として重宝されてきた。これまでJ1通算26試合で主審を務めたほか、22年1月には第100回全国高校サッカー選手権の決勝で笛を吹くなどキャリアを積んできた。
 プロフェッショナルレフェリー契約に伴い、昨季まで一般企業でも働いていた御厨氏は審判業に専念。担当する試合も増える見込みだ。開幕を前に「最高に美しいゲームになるよう、円滑に公平に試合が進むよう、任された一試合一試合に神経を注いでいく。プロ選手からプロの審判員に転身した第1号として見られるので、セカンドキャリアの面でも一つの道筋をつけることができれば」と気を引き締めていた。

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