「離婚」を考えていますが子どもが2人います。「母子家庭」の平均年収はいくらでしょうか?

シングルマザーの平均年収はいくら?

こども家庭庁によると、シングルマザーの平均年間収入は272万円、そのうち働いたことによる収入は236万円でした。また、シングルマザーのなかでも養育費の取り決めをしている世帯は46.7%、さらに調査時点で受給している世帯は28.1%と少数です。

実質的に、シングルマザーの収入のみで生活を賄っている世帯が多数といえるでしょう。一人で子育てをしながら働くことになるため、収入に不安を覚える方も少なくありません。収入に不安がある場合は、制度の活用を検討しましょう。

生活に不安を覚えたら支援制度も活用する

シングルマザーやシングルファーザーが活用できる制度はさまざまです。自治体によっては、独自の制度を活用できるケースもあります。経済的な理由で生活に不安のある方は、まず自治体の役所で利用できる制度がないか相談してみましょう。

ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業

就職に有利な資格を取得するため、養成機関へ入学するシングルマザーやシングルファーザーの方に対して、入学準備金や就職準備金の貸し付けをしている制度です。自立に向けて積極的に取り組んでいる世帯に対しては、家賃に相当する金額の貸し付けも行っています。

入学準備金としては50万円、養成機関を無事卒業し、資格も取得できた場合には20万円が就職準備金として借り入れできる金額です。もし貸し付けを利用した方が1年以内に取得した資格を生かせる職業に就職し、貸し付けを受けた自治体の指定区域内で5年以上同じ職で働いた場合は、返還が免除されます。

また、児童扶養手当を受けている世帯は「母子・父子自立支援プログラム」も併用すると、上限4万円まで、かつ12ヶ月まで家賃の借り入れが可能です。

ひとり親家庭等医療費助成制度

所得制限などの条件を満たしていれば、医療費に対して支援を受けられる制度です。東京都新宿区での所得制限を表1にまとめました。

表1

※新宿区「ひとり親家庭等医療費助成制度 所得制限」を基に筆者作成

扶養している人数が0人とは、シングルマザーで子どもと生活しているものの、子ども自身は父親の扶養に入ったままの状態です。また、扶養人数なので、子どもだけでなく自身の両親も生計を同じくし、扶養に入っている場合は数に数えます。

条件を満たしていた場合、住民税課税世帯なら医療費が1割負担になり、住民税非課税世帯なら負担がありません。ただし、入院したときの食事療養費は対象外です。

東京都社会福祉協議会受験生チャレンジ支援貸付事業

東京都独自の制度で、中学3年生と高校3年生、もしくは準じる方に対して学習塾の受講料や受験料などを無利子で貸し付けてもらえる制度です。借り入れできる金額(上限)は表2になります。

表2

※東京都社会福祉協議会「受験生チャレンジ支援貸付事業サイト」を基に筆者作成

所得制限や保有資産は600万円以内であること、など条件が設けられています。また、生活保護受給世帯は利用できないため注意しましょう。このように、自治体独自の支援制度があるケースも少なくありません。利用できる制度は、なるべく活用しましょう。

生活が不安なら制度をできるだけ利用することがおすすめ

シングルマザーになると、一人の収入で生活費や子どもの学習費などを賄うケースが多くあります。もし金銭的負担が多く、生活に不安を覚える場合は支援制度の活用がおすすめです。

制度を利用すれば、医療費の負担軽減や、子どもの進学資金のサポートなどを受けられます。一人で悩まずに、まずは自治体の相談窓口へ行きましょう。

出典

こども家庭庁 こども家庭庁支援局家庭福祉課 ひとり親家庭等の支援について(3、4ページ)
内閣府 男女共同参画局 女性応援ポータルサイト ひとり親家庭の方への就業支援
新宿区 ひとり親家庭等医療費助成制度
東京都社会福祉協議会 受験生チャレンジ支援貸付事業サイト 事業内容

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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