1500年前の噴火が遺跡を〝保存〟 2月18日、3月10日に群馬県が講座

 6世紀に起きた榛名山の噴火により、群馬県内に保存状態が良好な多くの関連遺跡があることを知ってもらうため、県などは一般向けの講座を2月18日と3月10日の2回にわたって開く。渋川市の金井東裏遺跡や黒井峯遺跡など、発見当時に全国初の事例として注目された遺跡を紹介。講座を通じてガイド人材の養成も目指していく。

 榛名山周辺は古墳時代の6世紀に2度の大噴火に見舞われ、軽石や火山灰で埋もれたり、火砕流で押しつぶされたりした遺跡が点在している。軽石などによって当時の歴史空間がパックされた形となり、金井東裏遺跡では古墳時代の人骨が国内で初めて、甲(よろい)をまとった姿で発見された。黒井峯遺跡からは、竪穴住居などの遺構が良好な状態で出土。当時の暮らしぶりが克明に復元できた。

 2回の講座では、歴史的な価値が高く、数も多い榛名山噴火の関連遺跡について、発掘調査に携わった調査員や、遺跡に詳しい研究者計5人が講義する。県立歴史博物館の右島和夫特別館長や、県埋蔵文化財調査事業団の杉山秀宏資料2課長らが講師となり、関連遺跡を分かりやすく解説する。

 県と、群馬歴史文化遺産発掘・活用・発信実行委員会が共催。本年度の講座でより多くの人に関連遺跡について知ってもらった上で、今後のガイド人材の養成につなげたい考えだ。

 県歴史文化遺産室は「噴火により、古墳時代の歴史空間がそのまま残っている貴重な遺跡。多くの県民に価値や魅力を知ってほしい」と呼びかけている。

 受講料は無料で、会場は渋川市北橘行政センター(同市北橘町真壁)2階活用室。18日は午後1時~同4時45分(10日は同4時15分)。定員80人。事前申し込み不要。問い合わせは県歴史文化遺産室(☎027-226-2525)へ。

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