全教室に「ネットランチャー」配備 中学校で刺傷事件の戸田市、全小中学校の全教室へ 各校2台→計720台に

広がる網を発射して不審者の動きを封じる器具「ネットランチャー」(埼玉県戸田市提供)

 埼玉県戸田市は15日、学校の安全対策として、広がる網を発射して不審者の動きを封じる防犯器具「ネットランチャー」を市内小中学校全教室に配備すると発表した。

 昨年3月、市立美笹中学校に刃物を持った17歳の少年が侵入し、教員を切り付けた事件を受けた防犯強化策。特別支援学級を含む市立小中学校18校の全教室に設置する。器具の長さは約50センチで、重さは約950グラム。約3.2メートル四方に広がる網を不審者に接近することなく発射し、絡め取る。

 これまで各校に2台ずつ導入していたものを、全教室に設置。720台の配備に必要な関連予算3326万円を2024年度一般会計当初予算案に計上する。

 市では小中学校の防犯対策として、学校敷地外周部への安全フェンス設置や、来校者用玄関のオートロック化、警備員の配置などを行っている。

 同日会見した菅原文仁市長は「刺股などに比べ、とっさの時に簡単に使うことができ、効果も高いとされており、全教室に配備することで児童生徒の安全を守りたい」と話した。

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