能登にエールを込めた一杯 釜石のキッチンカー店主・岩鼻さん

メッセージを書く生徒を見守る岩鼻伸介さん(左)。コーヒーとともに、被災地に心を寄せる人々の思いを届ける

 釜石市を中心にキッチンカーで活動するコミュニティーカフェ「Happiece Coffee(ハピスコーヒー)」店主の岩鼻伸介さん(46)=同市大平町=は、能登半島地震の被災地へ温かなコーヒーを届けている。2度目の16~22日の活動に当たり、思いを寄せる市内の高校生とも協力。生徒や客が寄せ書きした紙製カバー「スリーブ」をカップに巻き、エールを込めた一杯を届ける。

 「ちょっとあったまるべ」「ホッとする時間ができますように」。同市甲子(かっし)町の釜石高敷地内のセミナーハウスに15日、震災の伝承活動を行っている生徒ら10人ほどが集まった。

 既に頑張っている被災者を思い、寄せ書きは「頑張れ」とは書かないルールに。店先で1杯に相当する1口500円でカンパを募り、協力してくれた客もメッセージを寄せた。「震災当時、何度も来てくれる支援者がいるのはうれしかった。コーヒーを飲んで一瞬でも日常に返り、優しい心が伝播(でんぱ)していくといい」と継続的な活動を誓う。

© 株式会社岩手日報社