【タンス預金】税金を減らすために収入を「こっそり」家に置いています。問題になるでしょうか?

貯金は家で保管してもいい?

人によっては銀行に預けずに、家で給料などの収入を保管したいという方もいます。
しかし、保管したお金によっては税金が発生する可能性もあるため、注意が必要です。

家で保管すると税金が発生するケース

自営業の方や副業を行っている方が、確定申告をしていないお金をタンス預金として保管していた場合は、所得税が課される可能性があります。

そもそも確定申告とは、1月1日~12月31日に発生した所得や所得税を計算して、国に納めるべき税金額を確定するための制度です。
会社員で給与収入のみの場合は、会社側が年末調整によって手続きをしてくれます。
しかし、自営業や副業で得た収入は、自分で申告しなければなりません。

仮にタンス預金した金額を含めずに申告したとすると、所得税を過少申告したことになります。
場合によっては過少申告加算税など、追加で税金が課される可能性もゼロではありません。
そのため、タンス預金を確定申告していないときは、気づいた時点ですぐに修正申告しましょう。

ほかにも、110万円を超えるお金を人から受け取って、タンス預金に回した場合は、贈与税の対象になる可能性もあります。

家で保管しても税金が発生しないケース

会社員として給与収入を得ており、源泉徴収も終わっているお金ならば、タンス預金をしても税金は発生しません。
会社側が税金の申告を済ませてくれているからです。
確定申告をして、国へ税金の申告が終わっているお金も、問題なくタンス預金にできます。

また受け取ったお金でも、110万円以内ならば贈与税の控除額に収まるため、税金がかかりません。

なぜタンス預金は発覚するのか

銀行に預けていなくても、誰にもいっていなかったとしても、タンス預金はいずれ見つかります。
なぜなら、国税庁ではKSKシステムを導入しているからです。

KSKシステムとは、国税総合管理システムの略称で、税金の申告書や法定調書などの情報を一括管理しています。
不審なお金の動きがあったときは、KSKシステムの情報と照らし合わせて、税務調査の対象者を見つけることも可能です。

そのため、申告した税金額と実際に引き出したお金や法定調書などを比べることで、タンス預金などの銀行に預けていない所得でも発覚します。

必要な申告をしないとどうなる?

もしタンス預金のお金を確定申告に含めなかった場合は、過少申告加算税など、追加で税金が課される可能性があります。

過少申告加算税の対象になると、本来納めなければいけない税額に加えて、申告できていなかった税額の10%の支払いが必要になります。
さらに、追加で納める税金が、50万円と最初に申告した税金のどちらか多いほうを超えている場合は、超えた分の税率は15%になります。

所得を隠していても、あとで税金の負担が増えるだけですので、必ず申告しましょう。
確定申告がタンス預金の金額も含めて申告できている場合は、問題ありません。

確定申告していればタンス預金しても問題ない

源泉徴収されている給料や、確定申告が終わっている収入からタンス預金をすることは、問題ありません。
しかし、確定申告が終わっていないお金や、人から受け取ったお金をタンス預金として保管していると、税金の対象になる可能性があります。

もしも意図的にお金をタンス預金として隠していたならば、通常の税金以外に過少申告加算税など、追加で税金の支払いが必要となる可能性も少なくありません。
収入からタンス預金をする際は、すべて源泉徴収されているものか、確定申告が終わっているお金にしておきましょう。

出典

[国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)
No.2020 確定申告](https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2020.htm)
No.2026 確定申告を間違えたとき
No.4402 贈与税がかかる場合
財務省 行政事業レビューシートの最終公表(令和元年度実施事業に係るレビューシート) 2.適正かつ公平な課税の実現 事業番号0007 国税総合管理(KSK)システム

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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