鳥取県湯梨浜町と言えば、北は日本海、内陸に東郷池、有名な温泉もある風光明媚なところで、二十世紀梨の産地としても知られています。
海の幸、山の幸の食材にも恵まれた町は、「料理のまち湯梨浜町」のプロジェクトをスタートしました。
どんなグルメが味わえるのか、取材しました。
まず訪れたのは、東郷池に面するはわい温泉の一角、湖屋カリー。
ここで味わえるメニューが、「湯梨浜産氷温熟成舞茸のカリー」です。
日野彰紀記者
「この舞茸の香りにそそられますね、いただきます。
お肉やお魚にも負けないような舞茸の存在感、すごい旨味ですね」
湖屋カリーが選んだ湯梨浜町の食材は「舞茸」。
氷温熟成の舞茸「鳥取の宝」を素揚げにしたあとソテー、カツカレーのとんかつのようにご飯に載せると、舞茸と調和が取れるよう野菜ベースでマイルドに仕上げたルーをかけます。
湖屋カリー 金﨑悟一さん
「かなり大ぶりな株の舞茸が手に入るということで、ほかの食材にも負けないしっかりとした存在感があるものだったので選びました。」
この舞茸のカレーのように、町で作られた食材を際立たせて魅力あふれる料理を提供するのが、「料理のまち湯梨浜町」の取り組みです。
湯梨浜町産業振興課 西川栄子課長補佐
「湯梨浜町と言えば、ナシやシジミや豊かな食材というのが魅力になっております。この豊かな食材を、料理というキーワードを用いて新たな湯梨浜町のイメージを打ち出すためにこの事業をやっております。」
東郷池にほど近いRest Coffee。
コーヒーの味にこだわるこの店も、料理のまちプロジェクトに参加しました。
パンの上にハムやチーズを載せてトースターに。
途中で加えるのが、湯梨浜町で取れた卵で作った温泉卵、焼き上げてからパルミジャーノチーズを削ってかけると、「湯梨浜産温泉たまごのクロックマダム」の出来上がりです。
日野彰紀記者
「では頂きます。とろけあう卵とチーズ、口の中までとろけてきちゃいそうですね。」
Rest Coffee 堀 海さん
「フランスの家庭料理でクロックムッシュというのがあるんですけど、それに卵を載せたものがクロックマダムとなります。
やっぱり湯梨浜の卵はおいしいので、それを温泉卵にしてもっと味わい深くさせました。」
朝食のイメージのクロックマダムに合わせて、シジミの味噌汁ならぬシジミのスープも用意しました。
もちろん東郷池で獲れた大粒のシジミを使っています。
料理のまちプロジェクトは、東京のイタリアンのシェフと鳥取県を代表する和食料理人の2人を監修に迎え、魅力ある料理を厳選しました。
第一弾は8つの店をラインナップ。
続いて訪れたのは、はわい温泉のゆの宿彩香です。
料理長がおろすのは、高級魚ヒラメ。
見事な包丁さばきでヒラメを刺身にすると、特製のタレに漬けこみます。
そう、次の湯梨浜町産の食材は「ヒラメ」。
ゆの宿彩香 青木由紀子女将
「湯梨浜町に泊地区というところがあるんですけど、そちらでヒラメの養殖をされている方がいらっしゃいまして、1年を通じてヒラメを使えますので、それでヒラメを使ったお料理をということで考えました。
ちょっぴり贅沢、プチ贅沢ですか、味わっていただきたいなと思いまして。」
どんぶりのごはんの上に盛り付けるヒラメは、一切れ二切れではなくたっぷりと!
なにしろ料理の名前が「湯梨浜ひらめの贅沢丼」、たっぷり載っていないと贅沢にならないのです。
味噌汁には当然東郷池のシジミが使われています。
日野彰紀記者
「では頂きます。コリコリの食感がタレと絶妙に絡み合って、これはおいしいですよ。」
かわって、最初のカレーと同じ湖屋の、今度はカフェにやってきました。
店内には本格的なピザ窯が鎮座します。
弾力のあるピザ生地に塗るのは、湯梨浜町産の卵の卵黄を使った甘いドルチェソース「ザバイオーネ」。
そして、並べられる具材はなんとバナナ、続いてリンゴ、数種類のフルーツが惜しげもなく盛り付けられます。
フルーツ盛りだくさんの甘いピザなんです。
湖屋カフェ 牧田和己さん
「フルーツをたくさん作っていらっしゃる方々が多いので、そちらをお届けしたいなと。温める果物もおいしい食べ方のひとつだと思いますので、喜んでいただけたらありがたいです。」
果物に火が入りすぎないよう窯の中の位置を見ながら焼き上げると、「湯梨浜産フルーツグラタンピッツァ」の完成です。
日野彰紀記者
「では頂きます。盛りだくさんのフルーツはすこーし火が通っているわけですが、味が一層濃くなってこのソースとの相性も抜群ですよ。」
自然の恵みたっぷりのこのピッツァ、季節によって載せるフルーツを変えていくということで、何度も味わいたくなる一品です。
最後は、ランチバイキングが人気のゆるりん食堂。
二十世紀梨があまりにも有名な湯梨浜町ですが、ここが選んだ食材はやはり町内で生産される梅「野花梅」でした。
バイキングを食べたお客さんのデザートとしてさっぱりした味を求めたからです。
ゆるりん食堂 森下利奈さん
「梅ってあんまりスイーツのイメージがないじゃないですか。結構梅って酸味が強いから、酸味だけで終わらないように最後に白あんをもっていくことによって、酸味と甘みどっちも楽しめるかなと思い色々重ねました。」
カップの一番下には白あんの羊羹、その上に梅の果肉、クラッシュしたゼリー、そして一番上にコンポートの梅をまるごと1個載せます。
目にも鮮やかな「湯梨浜産野花梅のゆるスイーツ」。
日野彰紀記者
「頂きます。これね、コンポート、それからゼリー、そして羊羹、和洋のいろんなスイーツが重なり合ってるんです。甘みと酸味が複雑に混じりあいますよ。」
豊富な地元食材を活かして次々と生まれる新しい味。
料理のまち湯梨浜町のプロジェクトは2月下旬には第2弾も発表されます。