71歳乳がんサバイバー、術後の下着モデル復帰に大反響。「ファッション業界は30歳以下の女性に固執している」

マリー・ヘルビンさん(2014年撮影)

こちらもおすすめ≫真木よう子さんのノーメイク姿に反響続出。「人間臭くあるべき」のメッセージに共感広がる

乳がんサバイバーの71歳のモデルが、手術を経てランジェリーブランドの仕事に復帰し、注目を集めている。

エイジズムと乳がんと闘う彼女は、トラウマを受け入れ、自分の個性を取り戻すことを訴えている。

60歳以上の女性は無視されている

スーパーモデルと知られるマリー・ヘルビンさんは、イギリスのランジェリーブランド「ブルーベラ」のバレンタインキャンペーンでモデルを務めた

現地メディアEvening Standardのインタビューで、ヘルビンさんは、ファッション業界は30歳以下の女性に「固執」し、60歳以上の女性は無視され、「不可視化」されていると話している。

ヘルビンさんは、1970〜80年代に「VOGUE」の表紙を飾り「スーパーモデル」ブームも牽引した。しかしその後40歳の時に「年を取りすぎている」と思われ、仕事がなくなったという。モデルを再開したのは50歳の時だった。

エイジズムに抗う姿勢を見せるヘルビンさんだが、今回モデルに抜擢され注目を集めている理由は、それだけではない。

乳房切除と再建の手術も

ヘルビンさんは2022年に乳がんと診断され、それ以来、今回の仕事が初めてのポージングになった。診断後、ヘルビンさんは、乳房切除と再建の手術も経験した。

Peopleによると、ブルーベラからランジェリーモデルを依頼されたのは診断を受けた時と同時期だった。しかしモデルをできる状況ではなかったため、「1年度にもう一度訪ねてきてほしい」と伝えたそうだ。

このバレンタインキャンページの撮影は、ヘルビンさんにとって「自信やパワーを与える経験」で、同時に、同じく乳がんサバイバーだった母親のことも思い、敬意を感じたという。

ヘルビンさんが今回のコレクションで特に気に入っているのが、黒いボディスーツだ。ヘルビンさんは「(コレクションのランジェリーは)特別な機会に限ったものだけではありません。がん専門医の診察に行く時にも、服の下に着ていきたいと思っています。それだけで気分がとても良くなりますから」と話している。

© ザ・ハフィントン・ポスト・ジャパン株式会社