【日病薬】武田会長、改定の「薬剤業務向上加算」、第8次医療計画を後押しするもの

【2024.02.17配信】日本病院薬剤師会は2月17日に臨時総会を開いた。挨拶した武田泰生会長は今回の診療報酬改定にも触れ、薬剤業務向上加算については、「新任薬剤師の研修体制の構築や、出向を通してシームレスな薬物治療をつなぎ、第8次医療計画を後押しするものと期待している」と評価した。

武田会長は、臨時総会開催にあたって挨拶し、まず能登半島地震に言及し、被災した人へのお見舞いを述べるとともに、日病薬としても被災地支援を行ってきたことを報告した。
災害登録薬剤師やボランティア薬剤師など、臨時総会開催当日も86名の薬剤師が現地で支援にあたっているという。武田会長は支援している薬剤師に敬意を表するとともに、送り出した医療施設にも感謝の言葉を述べた。「快く送り出してくださった施設の皆さまにも御礼申し上げます」と述べた。その上で、現在も日病薬のホームページでボランティアを募集していることを紹介し、検討してほしいとした。

武田会長は会長就任からの約1年半を振り返り、活動の3つの柱について言及した。

1つ目は、職能拡大。医師の負担軽減にも資する病棟業務のさらなる充実に取り組んできたとし、令和6年診療報酬改定においては、薬剤総合評価調整加算の算定要件からカンファレンスの参加がなくなり、「算定しやすくなった」と評価した。
また、がん薬物療法体制充実加算では、薬剤師が医師の診察の前に状況を確認することによって、タスクシェアにも資すると評価した。

改定内容に関しては、救急業務への薬剤師の評価などについては至らなかったとして、次回改定へ向けて準備を進めたいとした。

活動の2つ目の柱は、資質の向上。医薬品のモダリティの変化や、核酸医薬、遺伝子治療、細胞治療など複雑化する医療技術の習得を目的とした研修を今後も拡充していきたいとした。

3つ目の柱は、薬剤師不足、地域偏在の解消。会長就任当初から特別委員会を設置して精力的に取り組んできたことを報告した。第8次医療計画への盛りこみなどがされたが、その対応状況の把握などに努めたほか、好事例の収集・周知を通して各地域の事情に見合った計画の策定がされることに取り組んできたとした。

改定に関しては、薬剤業務向上加算を挙げ、「限られた医療機関しか算定できないとは思うが、しっかりとした新任薬剤師の研修体制の構築や、出向を通してシームレスな薬物治療をつなぎ、第8次医療計画を後押しするものと期待している」と述べた。

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