「一筆入魂」センバツ球児後押し 明誠学院高 プラカード3校名揮毫

熱心に校名をしたためる(左から)吉田さん、前山さん、岩男さん

 第96回選抜高校野球大会(3月18日開幕・甲子園)入場行進で、明誠学院高(岡山市北区津島西坂)書道部1年生3人がしたためた学校名のプラカードがお披露目される。手がけたのは地元の創志学園(同市)と広陵(広島)耐久(和歌山)の3校。「聖地」に臨む球児の奮闘を入魂の一筆で後押しする。

 「元気で力強い野球部のイメージを文字にのせた」と話すのは前山明咲さん(15)。7年ぶり4度目の出場となる創志の揮毫(きごう)を担当し「『払い』が多いため最後まで粘り強い線を心がけ、一試合でも多く勝ってほしいとの思いを込めた」。

 「書の甲子園」といわれる国際高校生選抜書展で中国地区の頂点に立ち、他地区の優勝校9校とともに大役が舞い込んだ。プラカードの校名揮毫は第80回大会から高校生が手がけ、明誠が担うのは5年ぶり8回目となる。

 今月初めに大会事務局から依頼が届くと、3人は授業の合間や放課後をフル活用して半紙に向き合ってきた。書体は中国の北魏時代に使われ、太い線と力強さが特徴の楷書。2年生からバランスや筆遣いの助言も受けた。

 広陵担当になり、すぐ同校のインスタグラムをフォローしたという吉田真依さん(16)は「選手の表情が明るく、地域から愛されている印象。一画一画を丁寧に仕上げた」。耐久を受け持った岩男幸乃さん(16)は「線に抑揚が出るよう『かすれ』を意識した。岡山から遠い学校だけど、応援の気持ちを伝えたい」と話す。

 最も出来栄えの良い各1点が16日、大会事務局に送られた。新型コロナウイルスの5類移行で大勢の観客が見込まれる今大会。まずは開会式で3校のプラカードに注目だ。

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