ファウラーの1W フェースに垂直の3本線

ファウラーの1Wのフェースには縦の3本線が入っている(GolfWRX)

リッキー・ファウラーは2024年の「ザ・アメリカンエキスプレス」で3Dプリントされた新しいコブラキングウェッジを使用したことでギアのニュースを提供した。しかし、彼のギアで一風変わっているのはウェッジだけではない。フェースに垂直な3本線がレーザー刻印された新しい「コブラ ダークスピード LSドライバー」を使用している。

通常、ドライバーには水平方向に溝が刻まれるか、アライメント用に多種多様なフレーミングのための柄が刻まれるものだが、なぜ灰色で垂直の3本線が引かれているのか? パフォーマンスへの恩恵があるのか、あるいは完全に視覚的なものなのか?

その答えを求め、GolfWRX.comは、すでに一般発売されているダークスピードシリーズの発表イベントでファウラーに話を聞くと、新しいダークスピードLSのデザインとパフォーマンス、そして垂直の線の理由を話してくれた。

ファウラーが使用する1W「コブラ ダークスピードLS」(GolfWRX)

GolfWRX.com(以下WRX):まずは「エアロジェット」を振り返った上で、ダークスピードがどのようなドライバーで、何を気に入っているかを聞かせてもらえる?

ファウラー:自分のものにするのに思ったより時間はかかったけど、結局、優れているから替えたんだ。エアロジェットの時より良い状態だし、それが多くを物語っているよね。

期待は高かったけど、最低でも同じくらい良いか、優れているか、長い目で見てより優れたものになる可能性がない限り乗り換えないからね。ダークスピードはマットだから見た目は確かに大きく変わった。エアロジェットと比べて、とにかく超クリーン。エアロジェットもクリーンだったけど、クラウンにグラフィックなんかが施されていて、トップも違っていた。技術的な部分で言えば、スピン量が少なくなったね。より低スピン。ロフトは1度上がったけど、スピンを抑えられればロフトは友達だから、ダークスピードの方がよりコントロールができているように感じる。

WRX:自分がコブラのドライバー設計に大きな影響を与えていると思う?いつも君にプロトタイプを持ってきて、「これどう思う?色についてはどうかな?」みたいに聞くの?

ファウラー:そうだね。ある意味、僕の望み通りしてくれるので最高だよ。僕自身やゲーリー(ゲーリー・ウッドランド)、ダフ(ジェイソン・ダフナー)やジャスティン(ジャスティン・サー)もそうだけど、他のメーカーより契約選手の仲間が少ない利点は僕らのインプットに耳を傾けてくれるし、新しいギアにそれを役立ててくれることだね。

僕はすでに来年のドライバーも見ているし、そのフィードバックも返し始めている。ダークスピードに関して言うと、オリジナルの絵やファイルから最初のプロトタイプまで目を通したし、フィードバックを返していた。最初に打った時点で、このドライバーを何度も目にしていた。このような形で関われて、力を注ぎ込むことができるのは楽しいことだよ。

WRX:君のドライバーに、垂直な3本線が引いてあるんだけど、あの線は何のためのもの?

ファウラー:マットで全体的に色合いが似通っているので、僕がこれまで目にしてきたものと同じように8.5度のロフトがあるように見えないんだ。それがロフトを加えてみた理由の一つなのだけど、あの線を入れるとフェースアングルが見やすくなる。(元の状態では)くっきりとした線が入っているわけではないからね。そこが(コブラの)クールなところで、望み通りにカスタマイズしてくれるんだ。最初はシャーピー(マジック)で描いていたのだけど、今はレーザー刻印されているんだよ。

リッキー・ファウラーが実戦投入する60度の「RFウェッジ」(GolfWRX)

WRX:3Dプリントされたウェッジのことも聞かせてもらえる?そのプロセスや、新しいテクノロジーについて。

ファウラー:大体1年前、昨年のリヴ(リビエラCC)で僕らはグラインドやリーディングエッジをあれこれいじっていて、かなり良い感じがする形状の落とし所を探っていたんだ。と言うのも、僕はグラインドを大胆に変えるのは好きじゃないから。超多用途になるものが好きなんだ。ソフトなコンディションから(硬い)全英でも使えるようなね。柔らかいバンカーだと僕はソールがよりワイドな56度を使うでしょ?でも、60度が好きなんだ。自分のクラブを把握して、それがあらゆるコンディションでどう反応するかを知っておきたい。だから、とても良いものを手に入れたし、かなり気に入っている。バックアップや複製を作ろうとしたけど、手で作るのは難しい。近いものを作れるけど、時として少しずれる。だから、(フェデックスカップ プレーオフの)後にベンが僕のウェッジを自宅に持ち帰って、完全にスキャンした上で、CADファイルを製作したんだ。

それで、全体のイメージが出てくるので、あとは印刷ボタンを押すだけ。ただ、まだ少し調整が必要で、リーディングエッジを丸めることに関して調整の余地がある。底がシャープなリーディングエッジは好きじゃない。刺さらないように、最初(に地面とコンタクトする部分)にバウンスがあるのが好きなんだ。だから、もう少し絞り込もうと思えば(リーディングエッジに)少しばかり改善の余地はあるね。

これで、気に入ったソールとグラインドを複製するのがとても簡単になったね。あまりに良いから、ゲーリーもバッグに入れているよ。

WRX:(鍛造ウェッジと比べて)打感に違いは?

ファウラー:全然感じられないね。

WRX:本当に?

ファウラー:本当に感じられない。ブラインドテストで交互にショットを打っても、違うボールを交互に打った時のようには、違いは感じられないだろうね。これは少し違う金属なんだ。面白い確認方法があって、僕の持っているマグネット式の電話(スマホリング)は全部のアイアンにくっつくんだ。ただ、これ(3Dプリントウェッジ)は異なるステンレスで、鉄はごく少量しか入っていないので磁力はない。でも、この2つの違いは感じられないね。

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)

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