「なに言っとるんや」石原伸晃氏「政治家の領収書は100円単位で」に怒りあふれる…玉川徹氏は「納税しない運動」の可能性を指摘

国民の分断を抑えたい石原伸晃氏

2月10日、元自民党幹事長の石原伸晃氏が『NewsBAR橋下』(ABEMA)に出演。政治家が領収書を出すのは「100円単位でいいのでは」と発言したことが物議を醸している。

自民党派閥の裏金問題をめぐり、元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏と議論を交わした石原氏はこう主張した。

「1円の領収書を出して、税理士を雇って検査してもらうと40万円ぐらいかかる。私なんかはわりと役職をやらせてもらったのですぐ対象者になり、毎年その労力たるや。常識的には(領収書を出すのは)100円単位でいいのでは。

会計士の先生にぜんぶ見てもらって、ぜんぶチェックするって意味あることなのかな?」

橋下氏から、「政治家は税務署に見られない特権があるのだから。領収書がないと使い道がわからない」と話を振られると、石原氏はこう主張した。

「それを特権と見るか、政治活動の自由とみるか。お金がかかるのは当たりまえだから。1円というのは非常識だと思う。鉛筆だって1円じゃ買えない」

政治団体が受けた寄付は公益性の観点から原則非課税となる。石原氏はさらに、こう持論を述べた。

「政治活動に使ってくれと寄付でいただいているお金だから。遵法精神さえあればこんな問題は起こらない。それがない人間がたくさん出たから国民は怒っているわけで、政治家がしっかりケジメをつけること。

そして、政治資金をこれからどう扱っていくのか。『税金と一緒にしろ』『税務署に見せろ』といったのは主だった意見だけど、与野党でコンセンサスを得ないとダメだと思う」

石原氏が、政治家が出す領収書について「100円単位でいいのでは」と発言したことに、SNSでは怒りの声があふれた。

《みんな税理士雇ってるんだよ。みんな義務だから、しかたなく必死にやってるの。なに言ってるのこの人》

《石原伸晃がたかが1円で領収書いるか?ってノリだったけど、民間は1円の領収書でも貰って経理に渡すor申告しています。しかもインボイスで作業量増えてるのよ。何言っとるんやと》

《この感覚が一般国民と乖離していることに気が付けない残念な方。だから選挙で落とされる》

《国民と政治家は違うの? おかしいよね…上から見下してるの?》

「石原氏は、2023年12月12日放送の『大下容子ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)に出演した際、『100円、200円、300円、そんなものの領収書ホントに必要なのかって気がするんですよね』と発言していますから、今回のコメントも本音なのでしょう。

ちょうど確定申告が始まり、インボイスで国民が細かい作業に追われているさなかの発言ですから、世の中のことが本当に何も見えていないのかもしれません。

石原氏は『政治家がしっかりケジメを』と主張していますが、その政治家がいっさいケジメをつけていないわけですから、度し難いですよね」(政治担当記者)

自民党の裏金事件をめぐっては、会計責任者や秘書が立件される一方で、立件された議員は4000万円超のキックバックを受けた安倍派の3議員のみ。

政治資金は原則非課税だが、裏金が議員本人の収入と見なされれば、所得税の課税対象になり得る。

しかし、2月15日には、自民の森山裕総務会長が「政治資金として処理しているので、所得税は発生しない」とし、納税を「党として検討することはあり得ない」と否定的な考えを示した。

また、鈴木俊一財務大臣も同日、「財務大臣の立場で不記載をおこなった議員に対し、納税するようにと言うことはしない。党の立場を見守るということだ」と述べている。

こうした発言を受け、16日、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)に出演した玉川徹氏は、こう憤った。

「政治資金がなんで非課税かといったら、公益性があるという前提に立っているから非課税になっているんですよ。こんなやり方、公益性なんてないじゃないですか。裏金つくって。本当に国民のなかから安倍派、二階派が納税しないうちは “我々は納税しない運動” とか起きてくるのではないですか」

国民の納税義務を逆なでするような行為や発言が続けば、本当に “納税しない運動” が起こりかねない。

© 株式会社光文社