「51歳まで来たらいけるところまでいく!」“ミスター・レジェンド”葛西紀明の4季ぶりW杯帰還に海外記者が羨望の眼差し。衰えぬ『秘訣』に感服

スキージャンプ界に君臨する日本のレジェンドが、またしても偉大な記録を塗り替えた。

2月16日にノルディックスキージャンプのワールドカップ(W杯)札幌大会が札幌・大倉山ジャンプ競技場で行なわれ、今年6月で52歳を迎える葛西紀明(土屋ホーム)が4シーズンぶりにW杯予選を突破し、17日の本選に出場。ギネス世界記録のW杯最多出場記録を「570試合」に更新するとともに、自身が持つ最年長出場記録も「51歳256日」に伸ばすダブル快挙を達成した。

葛西のW杯デビューは、1988年の札幌大会で当時16歳。奇しくも同じ舞台でギネス記録を更新するメモリアルな日となった。そこから1992年アルベールビル大会から冬季五輪最多の8大会出場、2014年のソチ五輪では個人ラージヒル銀メダルに輝き、団体でも銅メダルを獲得する最年長メダリスト(41歳256日)として、数々の伝説を刻んだ。
無論、日本が世界に誇るベテランの偉業は海外メディアも大注目。いまだ衰えぬ競技への情熱と練習に取り組む姿勢に喝采を送っている。

ポーランドのテレビ番組『Dzień Dobry TVN』のクシシュトフ・スコジンスキ氏は競技を終えたばかりの葛西に直撃インタビュー。葛西は「やっとこの場に戻ってくることができて嬉しいです」と語り、久々のW杯の舞台を楽しんだ。

続けて、「もうこの歳まで来たら、いけるところまでいきたいです!」とチャレンジ意欲を示すとともに、競技を長く続ける秘訣を同氏に明かした。

「私よりも(年齢が)上のジャンパーはいないので、若いジャンプ選手からアドバイスをもらっています」

さらなるレベルアップを目指し、自ら若い選手に教えを仰ぐほどスキージャンプへの情熱が尽きない葛西。スコジンスキ氏は自身のX(旧ツイッター)を更新し、葛西とのツーショット写真を投稿。文面には「ポーランドがまだ共産主義国だった頃、この男はすでにW杯でジャンプしていた! ミスター・レジェンド、ノリアキ・カサイ」と綴り、51歳の日本人ジャンパーに感服した。

葛西は1回目で117メートルをマーク。28位につけ、30位までが進める2回目に進出し、5季ぶりとなるW杯ポイントを獲得。2回目は伸びを欠き、104メートル。169.2点で30位だった

構成●THE DIGEST編集部

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