東電福島第1原発事故避難指示12市町村の暮らしをパネルで紹介 22日まで福島市の福島大付属図書館

被災地の住民の今を知ってもらいたいと話す清野特任専門員

 東京電力福島第1原発事故で避難指示が出るなどした12市町村で暮らす人々を紹介するパネル展「『被災地』福島12人の12年」は22日まで、福島市の福島大構内にある付属図書館で開かれている。

 被災地と同大をつなぐ拠点として復興支援を行う「福島大地域未来デザインセンター相双地域支援サテライト」の主催。東日本大震災と原発事故を風化させないよう企画した。佐藤孝雄特任専門員が昨年4月から11月まで田村、南相馬、川俣、広野、楢葉、富岡、川内、大熊、双葉、浪江、葛尾、飯舘の各市町村の住民12人に取材してきた。

 双葉町に帰還・移住した有志でつくる「双葉町結ぶ会」の島美紀副代表(埼玉県出身)や、大熊町への移住者で無農薬野菜の栽培などに励むブケ・エミリーさん(フランス出身)、プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの福島レッドホープスの元選手で富岡町職員の畠山侑也さんらの生い立ちや現在の暮らしを写真や記事でまとめ、パネルにしたものを展示している。

 入場無料。時間は午前9時から午後5時(最終日は同3時)まで。18日は休館日。

 相双地域支援サテライトの清野哲也特任専門員は「もうすぐ震災と原発事故から13年がたつ。被災地で生活を送る人々の今を知ってもらいたい」と来場を呼びかけている。

 パネル展は3日から9日まで東京都でも開いた。3月2日には岩手県の大槌町文化交流センターおしゃっちでも開催される。

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