伝説のスネークマンショー再び?小林克也と伊武雅刀が短編制作

ディスクジョッキー・小林克也と俳優・伊武雅刀がタッグを組み、短編映像作品を制作する姿を追った20分のドキュメント番組『最後の晩餐』(NHK総合)が、2月25日・深夜に放送される。

短編映像制作に挑むディスクジョッキー・小林克也(右)と俳優・伊武雅刀 (C)NHK

小林と伊武という組み合わせを聞いて、すぐピンとくる人も多いだろう。70年代後半、先鋭的な選曲とラジカルで毒っ気たっぷりな曲間コントがカルト的な人気を博したラジオDJ・コントユニット「スネークマンショー」。クリエイティブディレクターの桑原茂一と小林克也で結成され、その後、声優だった伊武雅之(現在の伊武雅刀)が加入。1976年に「ラジオ大阪」で生まれたこの番組は、放送業界で瞬く間に話題となり、全国に飛び火。次々と業界のタブーに挑戦し、80年代カウンターカルチャーの象徴として、後世に多大な影響を与えた。

当時人気絶頂だったYMOが、多忙でアルバム制作に取りかかれず、曲間にスネークマンショーのコントを挿入したアルバム『増殖』(1980年)をリリース。シュールと最先端が同居した本作は40万枚超のセールスを記録するなど、スネークマンショーは一般大衆においても本格的にブレイク。細野晴臣を共同プロデューサーに迎えた単独アルバムも大ヒットするが、徐々にメンバーの意見に食い違いが見られるようになり、小林が脱退。スネークマンショーはやがて自然消滅の道を辿る。

現在82歳となった小林。老いと向き合いながらも人生でやり残していることを模索するなかで浮かんできたのが、「生きている間にもう一度、おもしろいことがしたい」ということ。それは、かつて天才的なやり取りで一世を風靡した伊武との再共演だった。番組のカメラは最初の企画会議から密着。エンタテインメントへの飽くなきこだわりと信念を見せる2人。そして、試行錯誤の末に短編映像作品が完成する。

同番組『最後の晩餐』は、「見たいテレビなどない」と語る若い世代に向けて、「こんなテレビ見たことない!」と言ってもらうための20分間というコンセプトを掲げたNHKのドキュメンタリーシリーズ。小林と伊武による短編映像作品は、番組の最後に披露される。放送は2月25日・深夜0時。

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