砲弾不足が深刻化、撃退できず ウクライナ軍撤退、支援遅れ影響

ウクライナ東部ドネツク州アブデーフカで破壊された建物群=15日(ゲッティ=共同)

 【キーウ共同】ウクライナ軍が東部ドネツク州の要衝アブデーフカ撤退を表明した。砲弾不足が深刻化し、兵士の犠牲をいとわず大兵力を投じたロシア軍の撃退を断念。後ろ盾の米国による追加軍事支援の決定の遅れが、前線の戦況に直接影響を及ぼし始めた。

 ウクライナ軍は、工業都市アブデーフカの象徴的存在だった巨大なコークス工場に立てこもっての防戦を強いられた。ロシア軍の戦闘機は1日60発の爆弾を投下。間断のない砲撃が続き、歩兵部隊が突撃を繰り返した。現地部隊を指揮するウクライナ軍のタルナフスキー司令官は「地獄だ」と表現した。

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