山本由伸を取り逃したのはNYの荒天!? キャッシュマンGMが“敗因”を仰天告白! 一方、ヤンキース・ブランド低下を指摘する声も「かつての魅力はない」

ロサンゼルス・ドジャースは今季、最も話題性に富んだチームと言える。その中でも、今キャンプは新加入した2人の日本人スタープレーヤー、大谷翔平と山本由伸への注目度は群を抜いている。

今オフは二刀流スターとともに、初めてのメジャー挑戦となる3年連続の沢村賞右腕が、MLBのフリーエージェント市場で争奪を極めた。結果は周知の通り、大谷に次ぐ形で山本も名門ドジャース入りを決断。多くの球団が移籍市場での日本人争奪戦で涙を飲んだ。

メジャー各球団のキャンプも始まり、いよいよ新シーズンに向けて動き出しを始めているなか、現在でも日本人右腕獲得を逃した名門球団の嘆きが米国内で紹介されている。

米メディア『CLUTCHPOINTS』は2月17日、ドジャース入りした山本の特集を組んで配信。今季の活躍を期待するとともに、山本獲得の本命とされていたニューヨーク・ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMが、日本人右腕のヤンキース入団が実現しなかった経緯について振り返っている。

記事では、米ポットキャスト番組内に出演したキャッシュマンGMが語った一部コメントを紹介。大谷と山本が今オフシーズンに、移籍市場の中心選手だったことを踏まえたうえで、「このスターデュオは最終的にドジャースと契約をかわしたが、ヤンキースはヤマモトがロサンゼルス行きを決める前に強力なプッシュをしていた」と紹介。ヤンキース球団の水面下での動きを伝えている。
同メディアは、「ヤンキース・ファンは、キャッシュマンGMがこの日本人投手と契約を結べなかったことに憤慨しているようだが、彼の言葉を借りれば、ニューヨークはこの25歳の右腕と契約するために全力を尽くした」と記し、キャッシュマンGMを援護する。

同GMがポットキャスト番組内で「我々はヤマモト獲得に向けて可能な限りのことをしたと確信している。彼は、ヤンキースとドジャースとの間で非常に難しい決断を迫られた」と漏らしたコメントを紹介したうえで、その敗因を分析している。

同GMによると、ヤンキース側が山本と交渉を行なった当日、ニューヨークでは冷たい雨が降り、冬のような気温だったと説明。「その天候が、山本の決断に少なからず影響を及ぼした」と指摘。温暖な西海岸に比べ、一段と寒いニューヨークの環境が肌に合わなかったのではないかと推測した。

他にも、ヤンキースはドジャースと同等の条件を山本に提示したと記すが、「ヤンキース・ファンにとっては、その現実を受け入れるのが大変なことかもしれないが、ピンストライプのユニホームを身にまとうことに、かつてほどの魅力はないのかもしれない」と言及。独自の見解でヤンキース・ブランドの低下を鋭く指摘している。

紹介されているキャッシュマンGMのコメントは真意を測りかねるものの、大物ルーキーを逃した落胆ぶりは痛切に伝わってくる。メジャーの長い歴史の中でも、高い人気と実力を兼ね備えたニューヨークの名門球団が選ばれなかったという現実は、やはり首脳陣にとって大きな痛手だったようだ。

構成●THE DIGEST編集部

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