東部要衝から撤退開始か ウクライナ軍兵士「捕虜に」

煙が上がるウクライナ・アブデーフカのコークス工場=15日(ゲッティ=共同)

 【キーウ共同】ウクライナ軍のシルスキー総司令官は17日、東部ドネツク州の要衝アブデーフカからの撤退を表明した。3月のロシア大統領選を前に、東部での戦果獲得を狙ったロシア軍が猛攻をかけ、ウクライナ軍は弾薬不足などから苦戦を強いられていた。約4カ月にわたる攻防の末、同国軍は要塞化した重要拠点を失う痛手。

 ロシア軍にとっては昨年5月にドネツク州の激戦地バフムトを制圧して以来の大きな前進。撤退は既に始まったとみられ、ウクライナ軍の現地部隊司令官は17日、兵士の一部がロシア軍の捕虜にされたと明らかにした。

 シルスキー氏は「包囲されるのを避け、兵士の命を守るため」の戦略的な撤退だと強調した。

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