平泉の魅力広く発信 今年から900年事業展開 中尊寺

中尊寺の900年事業ロゴマーク。藤原清衡公御遠忌の2028年まで活用される

 平泉町では、2024年の中尊寺金色堂建立900年を皮切りに900年の節目の年が続くことから、平泉観光推進実行委員会(会長・青木幸保町長)などを中心に一体的取り組みを展開するメインテーマを「浄土の花ひらく平泉」と決めた。同寺の900年事業ロゴマークも定められ、奥州藤原氏が争いのない浄土世界を目指して黄金文化を築き上げ、世界遺産に登録された平泉の魅力を今後5年間にわたり広く内外に発信していく。

 同寺では、26年に「中尊寺建立供養願文」に記されている伽藍(がらん)が落慶して900年、28年には同願文を著した奥州藤原氏の初代清衡が亡くなり900年の御遠忌と2年おきに節目の年が続くことからロゴマークを選定。マークは英語と洋数字で900年を中央に記した金色堂のシルエットと、仏を象徴するハスの花を組み合わせ、背後には北上川や衣川の流れ、900年の長い道のりが3本の曲線のうねりで表現されている。

 同寺や町、毛越寺、平泉観光協会、平泉商工会の代表で構成する同実行委は、三つの900年を一体的に捉えた事業を計画。メインテーマは「花」「浄土」が平泉を連想し、長い歴史の中での出来事が次々と花開いていく様子が事業をアピールするのにふさわしいとの考えから決まった。

 テーマ曲には、「平泉の文化遺産」の世界遺産登録を機に作られ、町内の児童生徒が歌い継いでいる「平泉讃歌」(星吉紀作曲、大庭桂作詞)を採用した。

 金色堂建立900年の今年は、東京国立博物館(東京都台東区)で特別展、同寺でも企画展が開催中で、今後平泉文化遺産センターや県立平泉世界遺産ガイダンスセンターでも関連する企画展を開催。8月20日には同寺で建立900年慶讃法要が営まれる予定で、同実行委事務局の町観光商工課では「町内の一体感の醸成や世界遺産平泉の情報発信など、今後もさまざまな事業の企画と調整に取り組んでいく」としている。

 ロゴマークの使用申請に係る問い合わせは、平泉観光協会=0191(46)2110=まで。

© 岩手日日新聞社