史上最多24戦のシーズンに向け、メルセデスF1のPU開発部門は「高い性能と信頼性を持つ製品の提供」に集中

 新しいパワーユニット(PU)の規則が施行されるまであと2年あるが、メルセデスF1は2024年型の新車『W15』のPUに実施可能な微調整や改良に今も注力している。

 メルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレインズ(HPP)のマネージングディレクターを務めるハイウェル・トーマスは、ブリックスワースに本拠を置く彼のチームが、既存のレギュレーションの下で実現可能な1000分の1秒単位のパフォーマンスをもたらすことに重点を置いていたと語った。

「パワーユニットのホモロゲーションにかかわらず、我々が引き出せるパフォーマンスはまだある」とトーマスは、シルバーストンで行われた今年の新車発表会で語った。

「我々は、ブラックリーのチームメイトたちと非常に緊密に作業を行ってきた。我々はみな、自身が担当するジグソーパズルのピースを持っている。我々は自分たちの役割を最大限に果たし、協力して可能な限り最強のパッケージを作成する方法を常に検討している」

「我々は最高のパフォーマンスを引き出すと同時に、可能な限り最も信頼性の高い製品を提供することに集中している。今年は、おそらく2023年よりも信頼性がさらに重要になる」

メルセデスF1の2024年型マシン『W15』

 間近に迫った2024年シーズンでは、昨年より2レース多い史上最多の24レースが開催される。トーマスは、パワーユニットが長距離で確実に保つようにするのは簡単なことではないと認めた。

「かなり大きな挑戦だ。レースを完走できないことがポイント獲得に悪影響を与えることは分かっているので、その部分に大きな重点を置いている」

「シーズンを通じ、4基のパワーユニットを確実に使用できるようにするためのレギュレーション変更は助けになる。しかし、F1史上最長のカレンダーにおいて、可能な限り信頼性と性能が最も高い製品を製造する我々の能力が依然として試されていることを、我々は承知している」

 現在のルールが安定しているということは、2026年に予定されている大規模な刷新や、アウディを含む新マニュファクチャラーのグリッド参入に各チームが目を向け始めることができることを意味する。

「新しいマニュファクチャラーを惹きつけ、現実世界との明確な関連性を備えたルールセットを持つことは素晴らしいことだ。これは我々の才能、革新的なアプローチ、そしてスポーツがもたらす可能性を示すチャンスだ。これは素晴らしいことであり、このプロジェクトに取り組むなかで、みんなが笑顔で歩き回っている」

 発表イベントに続き、W15は発表日の午後にコース上で簡単なシェイクダウンを行った。来週は公式プレシーズンテストのためにバーレーンに向かい、その翌週には同地で2024年の開幕戦が始まる。

メルセデスF1が『W15』をシェイクダウン(ルイス・ハミルトン)

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