【鎌倉 イベントレポ】NIYA NIYA作品展『Found & Formed』- 廃材に新たな命を吹き込むアップサイクルアート

廃材となった木材をアップサイクル(廃棄物に付加価値を付けて生まれ変わらせる、新しいリサイクル)し、アートに変身させたオブジェの展覧会が開催中です。

場所は長谷の「Books & Gallery 海と本」。作家は葉山を拠点に活動する、デザイナーユニット「NIYA NIYA」です。

訪れた人が思わず「かわいい!」と笑顔になる、おしゃれでポップな廃材アートの世界をご紹介します。

海がテーマの小さな書店「Books & Gallery 海と本」

画像出典:湘南人

江ノ電長谷駅の改札を出て、大仏方面へ徒歩3分。長谷観音入り口信号を左に曲がると、「Books & Gallery 海と本」の小さな看板があります。入り口はこの左奥です。

画像出典:湘南人

ここが入り口。階段で3階へ上がります。

旅の思い出がアイデアの源泉。写真とセットで楽しんでほしい

画像出典:湘南人

明るいパステルカラーのオブジェが壁にずらり。NIYA NIYAの作品です。言われなければ廃材だとは分からない、おしゃれなインテリアですね。

「家に飾りたい!」とつぶやくお客さんの声が聞こえてきました。作品は販売されているのです。

画像出典:湘南人

「Dreaming(ドリーミング)」は、星の形をした作品。ベトナム旅行で見かけたフルーツの露天商(下写真)からインスピレーションを得たのだそう。作品は全て、NIYA NIYAのお2人が東南アジアを旅した際に見かけた景色を基にしています。

写真集『FOUND & FORMED/NIYA NIYA』より引用

Dreamingの基になった写真がこちら。ホーチミンの街中で見かけた、フルーツ売りです。騒がしい街角で、お店を開いたまま寝ている様子が印象に残ったのだとか。

写真集『FOUND & FORMED/NIYA NIYA』より引用

こちらは、ホーチミンの街角で見かけた、ヤシの木の陰をモチーフにした作品「Urban Oasis」(記事トップのアイキャッチ画像)と、その基になった写真です。

オブジェにはそれぞれ背景となるストーリーがあり、作品の基になった景色は会場で販売されている写真集『FOUND & FORMED/NIYA NIYA』(下写真参照)で見られます。2人がタイ、ベトナム、スリランカを旅しながら撮った風景と作品の写真が掲載された旅心あふれる一冊です。

「旅の思い出を2人で話しながら制作しました」とNIYA NIYAのTadaさん。「一緒に旅をしているような気持ちで見てもらえたらいいなと思います」

廃材に新たな命を吹き込む、アップサイクルアート

画像出典:湘南人

※下段に並んでいるのは、本個展の写真集『FOUND & FORMED/NIYA NIYA』。

個展のタイトル『Found & Formed』には「廃材となった木材をアップサイクルして出来上がった作品」という意味が込められています。

引っ越しなどで出た木材などを集め、小さな木片を成形し、DIYで使い残したペンキとアクリル絵の具で着色しました。

「旅で出会った東南アジアの人たちは皆、身近にある物を工夫して生活を楽しんでいました。使い道のなくなった物も、形を変えると新たな用途が生まれます。廃材となった木材を独自の視点で見直して新たな価値を創造する、アップサイクルが私たちのテーマです」とTadaさん。

アップサイクル

アップサイクルとは、廃棄物に高付加価値を付けて再生することです。昔ながらのもったいない精神と最新技術を掛け合わせた、新たなリサイクルの取り組みが始まっています。

神奈川県鎌倉市では、慶應義塾大学と連携し「リスペクトでつながる『共生アップサイクル社会』共創拠点」プロジェクトを2023年度から開始。市内で集めたプラスチックごみを3Dプリンターで椅子などに再生し、市内に還元する取り組みなどを試験的に行っています。

この事業は国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」の地域共創分野・本格型プロジェクトとして採択されたもので、令和5年度から最大10年間行われる予定です。

参考リンク:リスペクトでつながる『共生アップサイクル社会』共創拠点|慶應大学ホームページ

「新しく買った物より、古い物が持つ歴史や懐かしい雰囲気が好きなんです」とYuraさんは言います。2人は、古い物に美しさや価値を見いだしているようです。

「Near(身近)な風景が制作のテーマです」

画像出典:湘南人

作家NIYA NIYAさんファミリーです。Tada Konoさん(写真左)は、鎌倉出身でカリフォルニア育ちのデザイナー。長年アメリカでサーフィン、スケート、ファッションブランドでデザインをしていました。

Yura Osbornさん(写真右)は東京出身で、ニューヨークの美術大学を卒業したイラストレーター&デザイナーです。

2人は2017年から拠点を湘南に移し、現在は神奈川県葉山のNIYA NIYA STUDIOでデザイナーとして活動中。

「逗子葉山海街珈琲祭2023」のブランディングや逗子海岸の海の家全体で使用した、繰り返し使えるリユースカップのデザインなどのプロジェクトを手掛けています。

「海と本、アートが好きな人におすすめできる本を選んでいます」

画像出典:湘南人

会場のBooks & Gallery 海と本は、鵠沼在住のデザイナー鎌田啓佑(けいすけ)さんが1年半前に開店した、海がテーマの書店です。鎌田さんが自らセレクトした本や画集、写真集など約300冊を扱っています。

アメリカ育ちの2人が生み出す、カジュアルでクリエイティブなアップサイクルアート。NIYA NIYA作品展『Found & Formed』は、3月10日まで開催中です。

イベント詳細

【NIYA NIYA作品展『Found & Formed』】

■開催期間:2024年2月11日(日)〜3月10日(日)
■会場:Books & Gallery 海と本
■営業時間:13:00~17:00(日曜のみ12:00~17:00)
■定休日:月・火・土

地図

住所:〒248-0016 神奈川県鎌倉市長谷 3-12-11 つたやビル 3F

アクセス

江ノ電長谷駅より徒歩3分
※駐車場なし

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