IAEA事務局長、福島県訪問へ 3月中旬にも 福島第1原発処理水の放出適切か確認

 国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長が3月中旬にも東京電力福島第1原発の視察などのため福島県を訪れる方向で調整されていることが17日、関係者への取材で分かった。

 グロッシ氏の来県が実現すれば、処理水の海洋放出の準備を進めていた福島第1原発の視察や地元関係者との意見交換などのために訪れた昨年7月以来で、約8カ月ぶりとなる。昨年8月の処理水の海洋放出開始から半年余りが経過するのに加え、東電が新年度から処理水の放出量を増やすのに当たり、改めて構内で設備の安全性や適切な放出手順が取られているかなどを確認し、評価するもようだ。IAEAは福島第1原発の処理水の適切な放出に向けて長期的に監視し、中立的な評価を続ける方針を示しており、グロッシ氏の来県も組織の取り組みの一環とみられる。

© 株式会社福島民報社