県内23年のパスポート申請、前年の3.6倍 1万2343件、コロナ前の6割強に

県立図書館には2月20日の「旅券の日」に合わせ、特設コーナーが設けられている

 県内の2023年のパスポート申請件数が1万2300件を超え、22年の3.6倍に上ったことが、県への取材で分かった。新型コロナウイルス禍前の6割強で、本県で海外との交流が活発になってきていることがうかがえる。昨年3月に始まった一部更新手続きのオンライン申請は23年末までに約160件あった。

 県内には山形市の霞城セントラルの県パスポートセンターのほか、各地の総合支庁などに申請・交付窓口がある。コロナ禍前の19年が1万9657件と最多で、その後は千件台まで落ち込み、23年は前年の3414件から1万2343件に跳ね上がった。県によると、高校の海外への修学旅行や企業の出張が回復傾向にあるほか、個人の旅行客も増えてきている。

 パスポート更新のオンライン申請は、マイナンバーカードの取得者を対象に昨年3月27日に始まった。スマートフォンを使い、「マイナポータル」を通じて写真や自筆サインの画像を登録し、マイナカードの情報を読み取る。窓口を訪れる手間が受け取り時の1回で済む。県内で昨年12月末までにオンライン申請を利用したのは166件で、全体の約1.6%だった。

 県パスポートセンターは今月20日の「旅券の日」に合わせて今月末まで県立図書館に企画コーナーを設置。オンライン申請のほか、▽戸籍謄本が必要▽6カ月以内に受け取らないと失効し、次の申請の手数料が高くなる―といった手続きの変更点を紹介している。海外旅行や航空業界などの関連書籍も並ぶ。

 県国際人材活躍・コンベンション誘致推進課の歌丸琴子国際交流主幹は「申請書類の事前ダウンロードもできる。それぞれに合った方法で、期間に余裕を持って手続きをしてほしい」と呼びかけている。

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