諫早市美術・歴史館 野口彌太郎しのぶ、ミモザ忌 永井隆博士描く作品など92点を展示

親交があった永井隆博士を描いた作品を解説する久保田さん

 長崎県諫早市東小路町の市美術・歴史館で17日、市ゆかりの洋画家、野口彌太郎(1899~1976年)をしのぶ第47回ミモザ忌があり、ゆかりの人たちが功績をしのんだ。例年は3月23日の命日前後だが同館開館10周年記念式典に合わせ前倒し開催。作品展も始まり、市所蔵作品や普段は一般公開していない個人所蔵作品が並んだ。入場無料、火曜休館、3月24日まで。
 市と野口彌太郎展実行委(木下伸弘委員長)が主催。式典には、大久保潔重市長や野口の遠戚に当たる佐賀市の久保田順一さんらが出席した。
 作品展には、市が所蔵する油彩画「諫早の眼鏡橋」など28点に、個人所蔵の作品64点を加えた92点を制作年代順に展示。自らも被爆しながら救護に当たった永井隆博士を描いた作品などが来場者の目を引いた。多くの作品を所有する久保田さんは「多くの中高生にも見てもらい、諫早から第二の野口彌太郎が生まれれば」と話した。
 佐世保市の土橋伸介さん(77)は「色彩が鮮やかで、自由な作風で描かれたすばらしい作品ばかり。めったに見られないものも多くありがたい」と話した。
 美術館と博物館機能をあわせ持つ同館は、諫早市初の本格的ミュージアムとして2014年に開館。これまでに28万5832人が来館した。

テープカットで開館10周年を祝う関係者

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