奄美大島 外来植物26種の対策強化 環境省 薬剤注入、枯らして駆除 第1弾は中国・台湾由来の「センダンキササゲ」

「センダンキササゲ」の伐採作業=2023年11月、鹿児島県龍郷町

 環境省が、貴重な動植物が多い鹿児島県奄美大島で外来植物対策を強化している。地元自治体や民間団体と連携し、近年分布を拡大している常緑樹「センダンキササゲ」の幹に薬剤を注入して枯らすなど26種の外来植物を今後優先的に駆除する方針。

 同省奄美群島国立公園管理事務所によると、センダンキササゲは元来、台湾や中国などに自生し、観葉植物として出回っている。近年は島内の龍郷町を中心に分布を拡大し、希少種「アマミクサアジサイ」の生育地近くに接近しつつある。

 同事務所は昨年11月、優先的に駆除すべき26種の外来植物の一覧を作成。このうち「拡散性が高く、成長も早い」と記述したセンダンキササゲを防除第1号に選んだ。

 同月末には市町村職員や団体関係者など約20人が参加し、龍郷町内の町道沿い数カ所で幼木を抜き取り、幹に除草剤を注入するなどした。今年2月8日には薬剤を注入した株をチェックし、効果を確認した。

 同事務所の釣谷洋輔離島希少種保全専門官(44)は「環境省が陣頭指揮を執り、島の人の協力を得ながら防除を進めたい」と話した。

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