常滑市の北西にある鬼崎漁港は、愛知県内有数の「のり」の産地。鬼崎では戦後からのりの養殖が始まり、現在では愛知県内で作られるのりの3分の1が鬼崎産。「鬼崎のり」というブランドのりとして、高級寿司店でも使われています。そんな鬼崎のりの漁に密着しました。
のりは鮮度が第一
鬼崎では11月下旬から春先まで行われるのり漁。港を出てから5分で漁場に着くと、船で網を引き上げます。海の中に仕掛けられた網に船体をくぐらせ、海面との間に潜り込むように進みます。
そして船のへりの部分でのりをそぎ落とし、次々と収穫していきます。すると、船内の水槽もあっという間にのりで満タンに!
収穫された生のりはすぐに加工場に運ばれて成形。その後、乾燥させて各地へと集荷されます。のりは鮮度が第一。収穫してから鮮度が落ちないうちに、いかに素早く加工できるかが品質に大きく影響します。
漁師だから知る味「生のり」
木曽三川から注ぎ込まれる豊富な栄養のおかげで、料理人からの評判も高い鬼崎のり。しかし、漁師さんは「生ののりもおいしい」と話します。
そんな漁師さんがすすめてくれたのは、とったばかりの生のり。船上でとれたての生のりを食べてみると、シャキシャキとした歯ごたえとのりの風味が抜群です。のりはすぐに鮮度が落ちてしまうため、「生のり」はほとんど流通しないそう。漁師さんだけが知る幻の味です。
生のりのおいしさを知る漁師さんたちは、料理でも生のりを活用します。定番の「生のりの味噌汁」はアツアツの味噌汁をお椀に注いでから、食べる直前に生のりを入れるのが漁師さんたちの間では当たり前だとか。味噌汁にたっぷりと入った生のりは、加熱されて風味がいっそう膨らみ、最高のおいしさとなります。
焼きのりとも相性ぴったり
漁師さんによると、味噌汁には生のりだけではなく焼きのりを入れてもおいしいとのこと。実際に試してみると、味噌汁に浸すことでのりの甘味が引き出され、また味噌汁にものりの風味がうつり、生のりとは違ったおいしい味噌汁に早変わりします。
のりマヨが絶品らしい
さらに漁師さんが教えてくれた驚きの食べ方が「焼きのり+マヨネーズ」。焼きのりにマヨネーズをたっぷりつけて食べると、不思議とのりの風味が強まって何枚でものりを食べたくなるおいしさになるんだそうです。おかずの一品としておすすめだとか。
のりのプロであるのり漁師さんだからこそ知るおいしいのりの食べ方は、すぐにマネしたくなるものばかりでした!