友人宅に泊まったら「寝るときは暖房つけない派なんだ」といいます。でも電気代ってそんなに変わるのでしょうか?

就寝中の8時間毎日エアコンの暖房をつけたときの電気代は1ヶ月で約4000円

設定温度と稼働時間によって電気代は変動するため、ここでは20度の設定で就寝中の8時間使うケースを想定してみましょう。

暖房を使うエアコンの消費電力は525Wで、電力料金単価は(公社)全国家庭電気製品公正取引協議会の目安に準じて31円とします。これらの条件で計算すると、設定温度20度、1日8時間暖房を使ったときの電気代は以下の通りです。なお、暖房の電気代は「消費電力(W)÷ 1000×電気料金単価(円)×時間」で算出できます。

525W÷1000×31円×8時間=130.2円

以上の結果から、暖房をつけたまま寝た場合、1日あたり130.2円の電気代がかかると分かりました。1ヶ月(30日)では3906円、1年(365日)では4万7523円かかる計算です。1ヶ月で3906円が高いと考えるか安いと考えるかは人それぞれですが、やはり暖房をつけたままで寝るのと消すのとでは、1ヶ月の電気代が数千円単位で変わってくるのです。

タイマーを2時間に設定したときの電気代は?

前段では、就寝から起床までの8時間暖房をつけたままにするケースで計算しましたが、実際には2時間や3時間など、切タイマーや入タイマーを設定して寝る人が多いと考えられます。そこで、タイマーを2時間に設定したときの電気代も考えてみましょう。

稼働時間が8時間から2時間に減ったことで、1日の電気代は4分の1の32.55円になります。1ヶ月(30日)では976.5円、1年(365日)では1万1880円かかる計算です。2時間使うだけなら1ヶ月で千円もかからず、8時間つけっぱなしにしたときと比べると大きくコストを抑えられることが分かります。

電気代が気になるものの、暖房なしでは朝が寒くてなかなかベッドから出られない人は入タイマーを2時間や3時間程度に設定して寝るのがよさそうです。

暖房の設定温度を下げるのもひとつの方法

環境省によると、暖房の設定温度を1度低くすると約10%の消費電力削減につながるとされています。暖房20度の消費電力を525Wと考えた場合、19度に下げると472.5W程度です。

1日あたりの電気代は「472.5W÷1000×31円×8時間= 約117.2円」で、20度と比べると約13円、1ヶ月(30日)では約390円、1年(365日)では約4745円の節約が可能です。朝まで暖房をつけっぱなしにして寝る場合は、設定温度をなるべく低くするように心掛けましょう。

あくまで無理のない範囲で電気代を節約しよう

暖房をつけたままで寝るのと消すのとでは電気代に大きな差があるとはいっても、住む地域や体質によっては暖房なしで寝るのが難しい場合があります。無理に我慢しては健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、できるかぎりの範囲で節約を心掛けましょう。電気代の節約には、「タイマーを利用する」「設定温度を下げる」といった方法が効果的です。

出典

公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会 よくある質問 Q&A
環境省 オフィスでできる節電アクション

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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