フリーアナ吉田明世、2年目になる娘のバレエ教室。習い事を通して見えたこと

先日、娘の通っているバレエ教室で発表会がありました。4才の頃から通い始め、大きな舞台で踊るのは今回で2度目。私自身がバレエ経験者ではないということから、メイク道具など必要なものの準備から、本番までのリハーサルスケジュールなど、右も左も分からず戸惑いまくりだった去年に比べると、今年はほんの少しだけ2年目の余裕とやらを持って発表会を迎えられたような気がします。(といっても、準備するメイク用品は去年仕舞い込んだものをそのまま引っ張り出しただけですが…)
実は、2度目の発表会を通して、娘も私も、バレエに対する思いが変化しつつあることに気づきました。

現在、5才の女の子と3才の男の子のきょうだい育児に奮闘中のフリーアナウンサーの吉田明世さんの育児エッセイ第45回です。

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親である私の変化について

私が会社員ではなくフリーランスという働き方を選択したこともあり、そもそも毎週決まった曜日に子どもの習い事をはじめる、ということ自体が大きなハードルだったりします。なので、休むことを恐れてがんじがらめになるよりは、休みたい時は休み、辞めたくなった時は辞めるくらいの心持ちで、習い事をスタートしよう、小学生に入るまでは、娘にとっても、私にとっても、あまり負担になりすぎないようにしよう、という風に考えていました。

しかし、先日バレエの先生のお話を伺う機会があり、芸事や習い事をするということは、毎週決まった曜日、同じ時間に通う。スケジュールの都合で習い事を休むのではなく、習い事に行くためにその他のスケジュールを調整することで、バレエに対する意識が変わり、技術も習得していく、というお話を聞いて、ハッとしたのです。
先生と教え子、先生と親の関係というのは、良い意味でも悪い意味でも昔とは変わりつつある現代ですが、みんなの価値観が変わっていく中でも、礼儀や感謝の気持ちなど、絶対に大切にすべきことってありますよね。先生のお話から、習い事への考え方も大きく変わりましたし、発表会で子どもたちが一年前よりも成長する姿を見て、バレエを通して家では教えることのできないことを教えていただけてるのだと実感しました。

そして、娘の変化について

今回の発表会では、舞台の初めに未就学のクラスから、小学生のクラス、そしてそのまたお姉さんクラスへと上の世代へ、トウシューズを渡して行き、舞台の終わりにお姉さんから下の世代へとトウシューズを受け継いでいく、という演出がありました。

その時に、いつも一緒にレッスンを受けている同じクラスの女の子が、娘の世代代表として抜擢され一人で踊る姿を見て、娘はなぜ自分が選ばれなかったのかと、"悔しい"気持ちになったそうです。そしてその悔しい気持ちは、"来年は自分が選ばれるようにバレエをもっと頑張りたい"という気持ちに変わったそうなのです。

娘が自らの目標を掲げ、頑張りたいと思えることができたことは、とても大きな変化のように思います。もちろん、大人の階段をあがるということは、"どんなに努力しても手の届かないこともある"という小さな挫折を積み重ねることでもあるのですが、それも含めて、バレエを通して多くのことを学んでいく姿を、今年もまた一年、近くで見守りながら応援したいという気持ちになりました。

小さいうちの習い事は、子どもの意思は尊重するものの、親が導いていく部分も大きいですよね。バレエ2年目にして色々な気づきがあり、母として学ぶことばかり。
また来年の発表会では、娘がどんな成長を見せてくれるのか、今からとっても楽しみです。

文・写真/吉田明世 構成/たまひよONLINE編集部

●記事の内容は2024年2月の情報で、現在と異なる場合があります。

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吉田明世さん(よしだあきよ)

PROFILE
1988年生まれ。2018年5月に女の子を、2020年12月に男の子を出産した。TBSのアナウンサーを経て、19年にフリーとなり、東京FM「ONE MORNING」(月~金6時~9時)「THE TRAD」(月・火15時~16時55分)レギュラー。ほかにTV、イベント、コラム連載など幅広く活躍中。保育士資格のほか、絵本専門士の資格も取得。2022年、初の絵本「はやくちよこれいと」(インプレス)を出版。

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