去勢避妊されていない京都の観光地の猫 「必要なお金は払います」 首都圏から届いた篤志で21匹の茶トラにTNRが実施された

京都の某光地にたくさんの茶トラが暮らしていました

2023年8月、首都圏から京都の観光地に訪れた人が野良猫たちが暮らしている様子を見つけました。確認できただけでも5匹。いずれもTNRなどを実施がなされていない野良猫で、繁殖が繰り返されていることがうかがえました。

この人は旅行から戻った後も野良猫たちのことが心配で、関西圏を中心に野良猫・地域猫のサポートを行う会社「ねこから目線。」に相談しました。その場所に行ってもらい、近所の方に飼い猫かどうかの聞き取りをし、野良猫であればTNRを実施してほしいと依頼しました。「必要な費用は負担する」とも言います。なんと猫思いの優しい人でしょうか。

「全ての野良猫の不妊手術をしてほしい」

依頼を受けた「ねこから目線。」の京都スタッフは、すぐに現場に向かいました。調べたところ、依頼主の話通り、現場には複数の猫たちが暮らしていました。近隣でも話を聞いてみましたが、やはり飼い猫ではなく野良猫の様子。安全に捕獲していよいよTNR、といきたいところですが、なんとその数は5匹どころか確認できただけで15匹。大半は茶トラでした。

当初とは話とは違うため、調査報告と合わせて依頼主さんに伝えると、「全ての野良猫の不妊手術をしてほしい」ときっぱり。スタッフはあらためて胸が熱くなりました。自身が住んでいるわけではないこの地域のため、そして猫のためにTNRを実施することは簡単なことではありません。

結果的に21匹のTNRを実施

結果的に捕獲した猫は合計21匹になりました

捕獲できた野良猫の数は15匹からさらに増えて21匹となりました。

相当な手間がかかりましたが、いずれも依頼主さんのおかげでTNRが実施され、元いたエリアにリターンされることになりました。中にはスタッフに懐いてしまい、リターンの際にスタッフの足元に擦り寄ってくる猫もいましたが、「みんなと一緒に元気に生きるんだよ」と声をかけました。

スタッフになついて体をすり寄せてくる猫

野良猫や地域猫をめぐっては、虐待のような事例を耳にすることがあります。一方、縁のない猫たちに「なんとか力になりたい」「幸せになってほしい」と願う今回のような人がいるのです。心優しい猫好きさんの思いに応えられるよう、「ねこから目線。」のスタッフはあらためて身が引き締まる思いでした。

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(まいどなニュース特約・松田 義人)

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