木下絵李がデビュー、サイエンスSARU×MBSの90秒企画

世界的アニメーション会社「サイエンスSARU」が関西のテレビ局・MBSとタッグを組み、気鋭のクリエイターが90秒アニメを制作する番組『オリジナルショートアニメ大作戦!』。その第2話、第3話の制作陣とタイトルが発表された。

©2024「ショートアニメ大作戦!」プロジェクト・MBS

前代表の湯浅政明をはじめ、その型破りな表現スタイルで業界をリードし続けてきた「サイエンスSARU」。『夜明け告げるルーのうた』(2017年)は権威ある『アヌシー国際アニメーション映画祭』で最高賞(長編部門)を獲得、森見登美彦原作の『夜は短し歩けよ乙女』(同年)では日本作品初となる『オタワ国際アニメーションフェスティバル』長編部門グランプリを受賞するなど、世界的な評価を得ている。

そんな「サイエンスSARU」がMBSと組んで、才能豊かなクリエイターによる珠玉の90秒アニメを制作。日本最古の書物である古事記をベースにした物語を繰り広げる『月とライカと吸血鬼』(横山彰利監督)が第1話としてすでに報じられていたが、今回、第2話と第3話の制作陣とタイトルが明らかになった。

第2話、第3話を手がけるのは、木下絵李。東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了後、「サイエンスSARU」に入社し、アニメ『映像研には手を出すな!』で絵コンテ・作画監督、映画『犬王』で演出補佐をつとめ、その手腕を遺憾なく発揮してきた。若手のホープである木下は、本作で満を持して商業作品監督デビューを果たす。

タイトルは、第2話が『MOON Episode 1 Sandwich』、第3話が『MOON Episode 1 Camping』に決定。『MOON』は「サイエンスSARU」でおこなわれた社内コンペで、真っ先に選ばれた木下の原案をもとに制作される。同社の企画プロデューサーは、「これが(40以上の応募作品のなかで)一番企画として完成されていると思いました。あとはどう広げられるかが監督の腕の見せどころですね」と期待を寄せる。

木下監督は、「1日の終わりに、全身の力を抜いて楽しめる作品になるといいな、という思いを込めて制作しました。ルイ・ゾングさんのかわいく軽やかな音楽にのせて、宇宙のどこかで暮らすいきものたちの日常をお届けします。大人から子どもまで、多くの方に見ていただけたらうれしいです」とコメント。

同番組は、MBS/TBS系全国28局ネット「スーパーアニメイズムおしり枠」にて3月より放送される(初回は3月1日・深夜1時50分頃、全4回)。

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