動物行動学の観点から「ヒト」という動物の正体を解き明かした新書に注目

モフモフしたものを、ヒトはなぜ可愛いと感じるのか? なぜヒトは「いじめ」を行うのか? それをなくす方法はあるのか?――。2007年以来続くロングセラーシリーズ『先生、〇〇が××しています!』(築地書館)で知られる鳥取環境大学の小林朋道教授が、謎だらけのヒトの行動を動物行動学の視点から解明する新潮新書『モフモフはなぜ可愛いのか 動物行動学でヒトを解き明かす』が発売された。

小林教授が、SNSで「ヒトについて日頃から疑問に感じていることを教えてください」と呼び掛けたところ、多くの質問が舞い込みんだ。それらの中から13の質問をピックアップし、動物行動学に立脚した視点から小林教授が大胆に解答したものをまとめたのが、本書だ。

質問項目は、比較的柔らかいテーマからシリアスなものまでさまざま。「モフモフはなぜ可愛いのか?」という項目では、太古からの人間の生存の歴史を振り返り、「なぜヒトは『いじめ』を行うのか? それをなくす方法は?」では、ヒトと動物のいじめの違いから説き起こし、具体的な防止策にまで踏み込む。アッと驚くユニークな視点から、「人という動物」の正体に迫る。

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