多彩な炊き出し、住民の楽しみに 穴水の避難所、移住の東さん中心に

炊き出しを受け取る住民と会話する東さん(左)=穴水町穴水中

  ●カレーに本格ピザ、うどんにチゲスープ…

 カレーに本格ピザ、うどんにチゲスープ。避難所となっている穴水町穴水中で、多彩な炊き出しが被災者を喜ばせている。2年前に穴水に移住した東哲也さん(53)=大町=の呼び掛けで石川県内外の飲食店や団体に支援の輪が広がり、さまざまなメニューが提供されるようになった。住民はバリエーション豊かな食事を毎回楽しみにしている。

 かつて中華料理店を経営していた東さんは1月15日に穴水で炊き出しを始めたが、毎回200食程度を準備するのは難しいと判断。SNSで知り合いや団体に協力を仰ぐと、料理店などが呼び掛けに応じた。

 現在、炊き出しは週2、3回のペースで行っており、カレーやピザに加え、梅しゃぶうどん、能登牛そぼろ丼などが出された日もあった。

 18日は、東さんの友人が営む金沢市の龍苑浅野本町店と尾山酒楼店、日本料理銭屋がラーメンや塩おにぎり、能登豚シューマイを提供。同市中央小校下の有志でつくる「中央こどもプロジェクト」のメンバーはつきたての餅を振る舞った。

 黒田映里香さん(53)=大町=は「毎回楽しみで、おいしいものに癒やされる」と喜び、穴水中1年の石垣陽詩(ひなた)さんは「この前食べたクレープと焼肉丼がおいしかった」と笑顔を見せた。

 炊き出しは3月から衣料店「ウイングなかり」(同町川島)の駐車場に移る予定で、東さんは「助け合いの輪が広がってほしい」と話した。

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