11分20秒で決着…驚異の20連続ポイント&わずか2失点の別格強さを見せた平野美宇が驚愕パフォーマンスの理由を告白「お昼寝をしたら生き返りました」【世界卓球】

衝撃のラブゲームが展開され、わずか11分20秒で勝負はついた。

現地2月18日、韓国・釜山で開催されている卓球の世界選手権団体戦はグループステージ第3戦が行なわれ、女子の日本代表(世界ランク2位)は南アフリカ(同30位)と対戦。日本はパリ五輪代表の早田ひなと平野美宇、去年の世界卓球ダブルス銅メダルの木原美悠で臨み、マッチカウント3-0のストレート勝ち。無傷の開幕3連勝を飾った。

ひとりもゲームを落とさず、南アフリカを寄せ付けない圧倒的強さで3連勝を収めた日本。なかでも、驚愕のパフォーマンスを見せたのは第2試合に登場した平野だった。

前日のイラン戦では、世界ランク709位のアシュタリが放つ変則サーブに大苦戦。慣れないプレースタイルの相手にリズムを掴めず2ゲームを先取されて、あわや敗北寸前まで追い込まれたが、そこからフルゲームにまで持ち込み大逆転。熾烈な国内選考レースを勝ち抜いた底力を発揮し、日本の連勝につなげた。

この日は一転、別格の強さを見せる。世界ランク177位の格下サスマン相手に、第1ゲームは1点も与えず、11-0で奪取。第2ゲームも立ち上がりから9連続ポイントを記録。なんと序盤から驚異の20連続ポイントをマークした。

このあとサーブの返球をミスし、初めて失点を喫した平野。だが集中力を切らさず、第2、第3ゲームをともに11-1で完勝。試合時間は約11分20秒。わずか2失点という完璧な内容で、同世代の盟友・早田にバトンを渡した。
あっという間に試合を決めた平野のパフォーマンスには、テレビ解説を務めていた2012年ロンドン五輪団体銀メダリストの平野早矢香氏も驚愕。「すごい。世界卓球ではあまり見たことないですね」と語るほど、圧巻の攻撃に舌を巻いた。

試合後のインタビューでは「昨日の試合がすごく苦しい試合だった分、今日は一球ずつ思い切ってできましたし、すごく良かったと思います」と安堵し、会心の完勝劇を笑顔で振り返った。

昨晩からの気持ちの切り替えについて問われると、「今日の朝まではちょっと疲れていたのですが、お昼寝をしたら生き返りました」と話し、”睡眠”がいい影響に働き、怒涛のパフォーマンスにつながったと分析した。

パリ五輪の団体戦出場切符が懸かる大舞台で、衝撃の20連続得点を記録した平野。日本は19日の最終戦(午後8時)でブラジルと激突。グループステージ最大の難敵だが、勝てば首位通過が確定し、パリ切符に大きく前進する。

構成●THE DIGEST編集部

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