日本基礎技術/小口径ボーリングを自動化、ダム現場で有効性確認

日本基礎技術は、ダムのグラウチング工事などに用いる小口径自動ボーリングマシンを実工事に適用し、有効性を確認した。現場内から遠隔で操作・監視することで、オペレーターの負担を軽減し安全性を高めつつ、従来同様の品質や工期で施工できる。施工データから日報を自動的に作成し、働き方改革にも寄与する。現在は1台だが、2024年度中に20台程度に増やす予定。薬液注入工事など都市土木分野に適用できるタイプも用意していく方向だ。
小口径自動ボーリングマシン「ABM-10」は、50センチのボーリングロッドを自動的に接続・脱着することが可能で、削孔開始ボタンを押すだけで無人で作業を進められる。地質状況に応じた削孔データを蓄積しており、自動的に各種計測値からトラブルを予測して回避したり復旧したりできる。オペレーター1人で複数台の操作も可能だ。
初弾として、西松建設・安藤ハザマ・青木あすなろ建設JVが施工中の立野ダム建設工事(発注・国土交通省九州地方整備局)に導入。現場内に設けた屋内の作業スペースからタブレット型の操作端末で常時監視して作業を実施。岩質に応じて自動的に調整しながら100メートル超の削孔を完了した。
今後も現場に導入しながら、削孔データを蓄積・解析して高度化を図る。熟練オペレーターの技術・技能の継承の観点からも有効とみている。「作業員の苦渋作業を減らしてサポートしたい。今後も遠隔化・自動化の対象を拡大していく」(同社)としている。

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