【4歳娘 “毒殺” 夫婦】細谷健一容疑者、娘写真に「托卵親子」と自嘲のLINEプロフ…経営会社では従業員に給料遅配も

逮捕直後の取り調べで容疑を否認した細谷健一容疑者。代理人弁護士にも無実を訴えているという

「以前はそんなに気になっていなかったんです。しかし、逮捕されて、あらためて意味を知ると恐ろしくなりました」

そう話しながら、台東区在住の男性が見せるLINEのプロフィール画面。これは2023年3月に次女・美輝ちゃん(当時4歳)を向精神薬や有毒物質で殺害した容疑で、2月14日に逮捕された細谷健一容疑者(43)のものだ。

妻の志保容疑者(37)も同時に逮捕されているが、夫婦には殺害以前から美輝ちゃんを虐待していた可能性が高まっている。

LINEのプロフィールにはメッセージを自由に設定できる機能があるが、健一容疑者は、そこに「托卵(たくらん)親子」と記していたのだ。

インターネット上などで、妻が夫とは別の男性との間で子供を作り、それを隠したまま夫と子育てをおこなう際に「托卵」という表現を用いることは多い。

「健一容疑者は亡くなった美輝ちゃんとみられる写真をアイコンにしていました。その下にあったのが、この文言。このメッセージはまるで『あの子は自分の子じゃない』と言っているように思えてきて……」(前出の男性)

では、実際の親子関係はどうだったのか。健一容疑者の代理人弁護士に尋ねると、「美輝ちゃんは間違いなく健一さんの実子です」と答えた。

だが、健一容疑者の親族はこう話す。

「志保に会ったのも健一の父の葬儀で一度きり。その後に生まれた美輝ちゃんのことは、今回亡くなってから、存在を知ったくらいなんです」

親族にもその誕生すら知らせず、実の娘とまるで血が繋がっていないように周囲に思わせること自体、虐待としか思えない。“娘いじめ” のプロフィールは、よい親でなかった己を自嘲していたのか――。

健一容疑者の母が2018年1月、健一容疑者の父が同年6月にともに病死した。その間の同年4月には、健一容疑者の2番めの姉が死亡しており、その遺体から今回の事件と同じ有毒物質が検出されているため、現在は姉の殺害容疑も視野に捜査がおこなわれている。

父から相続して、健一容疑者は浅草でのホテル経営が事業の中心である「ホソヤ産業株式会社」の代表取締役に就任。2018年7月、志保容疑者も同社取締役になっていた。

「健一の父は、志保との出会いが風俗店での “客と嬢” だったことから結婚に猛反対だった。だから結婚式も挙げていないし、当初は同居も拒否。

しかし、子供ができたことで夫婦は浅草に戻り、父、母、姉が暮らすマンションの別の部屋に引っ越したんです。ただ、健一の母は『志保さんがいつもゴロゴロしていて、掃除も洗濯もしない』とぼやいていました」(前出の親族)

自宅の近所ではたびたび、志保容疑者が「てめーなにやってんだよ」と健一容疑者を一方的に罵倒する “路上夫婦喧嘩” が目撃され、健一容疑者は志保容疑者をなだめていたという。

長男の父母仲間とも、いざこざがあった。

「地元の子供の集まりに、健一容疑者は長男を連れてきていたのですが、何度も遅刻してくるんです。長男は時間どおり来ようとしているのに、健一容疑者がだらしないらしい。

去年7月に遅刻を注意すると、健一容疑者は『じゃあ、もういいです』と静かに逆ギレ。長男は集まりに来たがっていたのに、無理やりやめさせられました」(父母の一人)

ホテルとして営業している9階建てビルを会社名義で、自宅のある10階建てマンションを丸ごと個人名義で所有している健一容疑者。一見すると資産家のようだが、2013年に自己破産した過去が明らかになっている。

昨今のインバウンド需要でホテル事業が盛況のはずの会社経営でも不安を抱えていた。前出の代理人弁護士はこう明かす。

「5年前から会社の顧問弁護士を務めていますが、ホテル増築後にコロナ禍の影響を受けたことで、資金繰りはよくありませんでした。ホテル従業員への給料などの支払いが遅れていて、今後、私が急いで対処しないといけません」

妻の横暴さ、不安定な会社経営が健一容疑者を追い詰めたとしても、4歳児に対する惨忍な行為の弁護にはならない。

写真・梅基展央

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