タケノコにあらず!30年ぶりの「里帰り」で来訪者の視線を釘付けにする遺物とは

30年ぶりに里帰り展示されている、独立棟持ち柱付き大型建物の柱根(守山市伊勢町)

 国史跡「伊勢遺跡」を伝える伊勢遺跡史跡公園(滋賀県守山市伊勢町)で、遺跡から出土した大型建物の柱根が「里帰り」展示されている。発掘調査以来、現地でお披露目されるのは30年ぶりで訪れる人たちが興味深そうに見学している。

 伊勢遺跡は隣接の栗東市にもまたがる弥生時代後期で国内最大級の集落跡。公園は遺跡を保存、継承し、歴史学習の拠点や市民の憩いの場にするため市が整備し、昨年11月にオープンした。

 柱根は、円周上に配置された祭殿とみられる独立棟持ち柱付き大型建物跡から見つかった15点。いずれもヒノキで直径約40センチ、高さ約80センチ。1994年の発掘調査で見つかり、その後市埋蔵文化財センターの収蔵庫で保管されていた。公園ができたため、発掘された場所で展示することにした。

 公園内の遺構展示施設の一角に、実際の建物の3分の1の間隔で柱根を配置している。伴野幸一所長は「柱根や柱穴から当時の建物の大きさを感じてほしい」としている。25日まで。火曜休館。無料。

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