「『セクシー田中さん』問題で日テレが謝罪」「漫画家は出版社に搾取されている?」「韓国作品をパクれ?」など、週刊出版ニュースまとめ&コラム #607(2024年2月11日~17日)

執筆者:鷹野凌

2024年2月11日~17日は「『セクシー田中さん』問題で日テレが謝罪」「漫画家は出版社に搾取されている?」「韓国作品をパクれ?」などが話題に。広い意味での出版に関連する最新ニュースから編集長 鷹野が気になるものをピックアップし、独自の視点でコメントしてあります(ISSN 2436-8237)。

政治

【一覧】二階俊博氏が数千冊も買った本に政治家の名前 3年で3470万円、高額な書籍代の内訳は〈東京新聞 TOKYO Web(2024年2月15日)〉

自由民主党の元幹事長である二階俊博氏が代表を務める政治団体が、1月に訂正した政治資金収支報告書で、書籍代として3年間で3470万円を支出していたことが明らかになりました。国会の予算委員会で追求され、その日のうちに公開された内訳がこちら。自身の名前がタイトルに入った本など17点を、配布用にまとめ買いしていたそうです。なるほど。

学校、塾、あるいは、宗教団体みたいに、まとめ買いしてくれる見込み客が事前にわかっているなら、出版企画は通しやすい。それは相手が政治家や政治団体でも同じこと。太い客とのパイプがあって羨ましいとは思いますが、まあ、ふつうにあり得ることでしょう。ちなみに勘定科目は、読むために買うなら新聞図書費ですが、配布するために買うなら広告宣伝費かな。

一般論として、本の配布が寄付扱いになるかどうかは微妙。たとえばふるさと納税の返礼品なら、そこそこ高額であっても「対価ではない」という扱いで寄付金控除の対象です。でも、NPO法人のパブリック・サポート・テスト(PST)は対価性の判定がけっこう厳しく、わずかな返礼でも寄付金として認定されない実態があったりします。

HON.jpでも、寄付の返礼に書籍のプレゼントという企画を考えたことがあるのですが、調べてみたら内閣府のQ&Aで「書籍等を発行して、書店で販売しているようなものを寄附金のお礼としてお返しするような場合は、PSTの算入の基礎となる寄附金に該当しない場合があると考えます」と釘を刺されていました。こりゃ無理だと断念。

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