AI悪用による選挙妨害阻止、大手IT20社が協力取り組みに合意

Sheila Dang

[16日 ロイター] - 世界の大手IT20社は16日、今年世界中で行われる選挙で、人工知能(AI)を悪用した妨害行為を阻止する取り組みを協力して進めることに合意した。

ミュンヘン安全保障会議で発表され、オープンAIやマイクロソフト、アドビ、メタ・プラットフォームズ、TikTok(ティックトック)、X(旧ツイッター)など生成AI構築に携わったり、有害コンテンツの取り締まりに責任を負っていたりする企業が参加する。

さまざまな文章や画像、動画を要求に応じて瞬時に創造できる生成AIの急速な普及を受け、これらの技術が選挙に不正利用される懸念が強まっている。

こうした中で各社は、AIが生み出した誤解を与える画像や動画、音声を検知するツールを共同で開発するほか、有権者に対して詐欺的なコンテンツへの注意を呼びかけ、そうしたコンテンツを積極的に取り締まることを目指す。

コンテンツがAI製かオリジナルかを判別するための方法には、電子透かし技術やメタデータの埋め込みなども想定されるという。

メタのグローバル事案担当プレジデント、ニック・クレッグ氏は「この(合意が)有用な点は、署名企業の幅広さにある」と述べ、各社が個別に新たな方針を導入した後で、それが共有化され、足並みをそろえて初めて適切に機能すると強調した。

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