不登校、視点を変えて対応へ 長崎県内に新たな集いの場 子どものために大人が楽しむ時間を

和気あいあいとした雰囲気で会場の飾り作りをする川口さん(右から3人目)ら=長崎市浜町、カフェ「From 1」

 不登校の児童生徒数が過去最多を更新する中、大人がまずは活動を楽しみながら、子どもたちの個性を尊重した学びと安心して過ごせる場をつくることで、自信と意欲を高めようという取り組みが全国で広がっている。その名も「トーキョーコーヒー」。長崎県でも長崎、大村、南島原の3市に計4カ所の拠点があり、大人たちが子どもと一緒に緩く、楽しく活動している。
 「トーキョーコーヒー」は「登校拒否」の文字の並びを変えたもの。「問題は子どもの不登校ではなく、大人の無理解」という視点から、均質化する教育システムを塗り替え、子どもの個性に応じた社会教育環境をつくることを目指す。
 奈良県でアートスクールを運営する吉田田タカシさん(ダダさん)が旗振り役となり、2022年8月に活動開始。趣旨に賛同し、動画研修を受けた人が主宰者となり拠点を開き、全都道府県に352カ所ある。
 県内では長崎市の大坪さくらさん(さくちゃん)や大村市の森宗祐子さん(ゆうちゃん)が、お菓子作りとお茶会、古民家での小物作りなどそれぞれ定期的に活動。インスタグラムで情報を発信している。
 2人はいずれも子どもが小学生の時、大坪さんの長女は学校に息苦しさを感じ、森宗さん親子は「母子分離不安」から登校を渋るようになった。2人は「親も楽しみながら、子どもが自分らしくいられる場を」と活動を始め、親同士が悩みを相談し合える場にもなっているという。
 「子どもが自然と触れ合う場を」と活動開始予定の南島原市の荒木里美さん(里美ちゃん)を含む県内の主宰者4人は連携し、ダダさんのトークライブを3月に計画。今月11日には、中心となる長崎市の川口直樹さん(ドバにぃ)の拠点活動を兼ね、和気あいあいとした雰囲気で会場の飾り作りをした。
 自身も子どもの不登校を経験した川口さんは「必ずしも『学校に行かせなきゃ』ではない。大人や社会が変わることが大事。ダダさんの『子どもファースト』の考えに触れてもらえたら」と話す。
 トークライブは3月30日午後2時から、長崎市伊良林1丁目の光源寺本堂で。参加費は大人が事前申し込み3千円(当日3500円)、高校・大学生同2千円(同2500円)、中学生以下無料。詳しくは申し込み専用サイトを。

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