地域を盛り上げたドラマなどの作品と自治体を表彰する「第14回ロケーションジャパン大賞」が15日発表され、連続テレビ小説「舞いあがれ!」のロケ地の一つ、長崎県五島市が「地域の変化部門」賞に選ばれた。ロケを機に活性化した地域や企業を表彰する「ロケツーリズムアワード」では長崎県島原市が特別大賞に選ばれた。
同大賞は雑誌ロケーションジャパンが毎年実施。2022年11月~23年10月に公開、放送された映画、ドラマ、アニメ作品が対象で、33作品65地域をノミネート。2万人のアンケートによる支持率を基に、ロケ地の「行楽度」や撮影の支援態勢、経済効果など地域の変化の基準で選んだ。グランプリは大河ドラマ「どうする家康」の浜松市が受賞した。
「舞いあがれ!」は、22年10月~23年3月に放映。五島列島や東大阪が舞台で、俳優の福原遥さんが主演した。
五島市は、22年の観光客数が前年の141%、23年4~12月のふるさと納税額が前年同期112%とそれぞれ大きく伸長。新聞や旅行雑誌など20以上の媒体で取り上げられ、ロケ地マップの作製など波及効果を生む取り組みが評価された。
市文化観光課は「作品の舞台になることが市民の活力になる。今後もロケ誘致に積極的に取り組みたい」とした。
一方、ロケツーリズムアワードは映像制作者と地域をつなぐロケツーリズム協議会(東京)が表彰。島原市は21年度に受賞した「地域大賞」に次ぐ「特別大賞」を獲得した。
「地域大賞から2年で無名だった島原鉄道大三東(おおみさき)駅が(ロケの)聖地化した」「市職員の迅速なレスポンスが制作者に好評。団体バスツアーなど観光振興にもつなげた」と評価された。
大三東駅は日本一海に近いとされる駅で、爽やかな景観を生かし撮影したキリンビバレッジ「キリンレモン 無糖」のCMが21年度に放送されたほか、22年度には日本マクドナルド「マックシェイク」などのCMロケ地になった。
同市シティプロモーション課の担当者は「21年度は年間20件だったロケ件数が、本年度は現時点で33件と過去最多を更新。リピーターもおり、ロケがロケを呼ぶ状況」と喜びを語った。
15日は東京で表彰式があった。