一歩入ればそこには「昭和」 チェッカーズ、南野陽子、小泉今日子…80年代アイドルと会える喫茶「ジェーン」店主の思い 鹿児島

1980年代アイドルのレコードが並ぶ喫茶ジェーン。店名はチェッカーズの曲からつけた=阿久根市鶴見町

 「昭和のおじさん」が令和にタイムスリップするテレビドラマ「不適切にもほどがある!」で、注目を集めている昭和。今でも雰囲気を感じられる喫茶店が鹿児島県阿久根市にある。

 チェッカーズ、南野陽子、小泉今日子-。阿久根市鶴見町にあるカフェの扉を開けると、1980年代を彩ったアイドルの笑顔が出迎える。窓辺や壁を飾るレコードや雑誌は全て店主の枦奈津子さん(50)の宝物だ。

 24年前に阿久根へ嫁ぎ、2021年1月、あこがれていた喫茶店を開いた。白い壁に何を飾るか考えた時、思い出したのが実家に眠るコレクションだった。

 小中学生だった80年代はアイドル黄金時代。姉と歌番組を見て、翌日は学校で友だちと盛り上がった。小遣いをためて買い集めたレコードは、「命の次に大事な物」だったという。

 一番好きだったのが、チェッカーズの藤井フミヤ。雑誌の写真を組み合わせたコラージュを作り、店内に飾っている。その様子が会員制交流サイト(SNS)で広まった。チェッカーズファンを含め、わざわざ訪ねてくる同世代の客もいる。初対面でも、アイドルや青春時代の思い出で盛り上がる。

 「昭和のあの頃は、お金はなくても夢があって、わくわくした」。目指すのは、その頃に感じていた別世界の入り口のような喫茶店。「今の時代とは合わないかもしれないが、文化を残していきたい」と話した。

 営業時間は午前11時~午後5時(軽食は午後2時まで)。定休日は日曜、月曜

店内を飾るチェッカーズのレコードや雑誌

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