アジア勢最多9勝目は「通過点」 丸山茂樹は現地で松山英樹を祝福

現地で松山英樹の優勝を喜ぶ丸山茂樹(撮影/谷口愛純)

◇米国男子◇ザ・ジェネシス招待 最終日(18日)◇リビエラCC(カリフォルニア州)◇7322yd(パー71)

米ツアー(PGAツアー)3勝の丸山茂樹は、地元のロサンゼルスで松山英樹の逆転劇を祝福した。最終日の6打差逆転劇を「素晴らしい優勝」と手放しで喜んだ。

「KJ(チェ・キョンジュ)を抜け」――。長らく厳命していた、アジア出身選手で単独トップとなるツアー通算9勝目を松山がついに達成。「そこは通過点だと思っていた」と丸山は言う。「最近は想定できないケガがあって、ストップをかけられている感じはしたけれど、この数週間のゴルフを見ていてパッティング以外は少し良くなってきた雰囲気もあった。もしかしたらことし、来年くらいに1、2回勝てるんじゃないかな…と」。西海岸シリーズに入ってからの復調ぶりを感じていた。

リビエラCCは丸山の米国の拠点から近く、2004年大会では単独2位フィニッシュを決めたコースでもある。松山はこの日、ハーフターン時に首位とはまだ5打差。後半10番からの3連続バーディで勢いづいた。「12番で(15mのロングパットを)入れて、13、14番をパー、パー。15番でフェアウェイを打ちぬいた時に『これ、チャンスかな』と。周り(の選手)が“雰囲気ゼロ”だったので、(通算)16アンダーでOKじゃない?と」。その後さらに15番から3連続バーディを決めて、鮮やかに逆転した。

グリーンを形成するのは西海岸特有の厄介なポアナ芝。ボールの転がりが不規則になりやすい。「パッティングが悪い中で、この難グリーンを制したのは非常に大きい」とうなずく。勝負の最終日は硬く、速い仕上がりになった。「数年、見ている感じでは、(コースに)得意な意識もないけど、特別苦手(意識)もないのかなと。もしかすると、流れによっては良いのかな。スピードグリーンのほうが彼は良い。速いグリーンのほうが、ストロークがコンパクトにできて良いのかなというのもあった」と分析した。

「まだまだ“引率係”として頑張ってほしい」(撮影/谷口愛純)

近年も丸山は同大会の期間中、松山を含めて出場する日本人選手を食事会に招くなど、先駆者として米ツアーでの戦いを指南してきた。「(松山は)期待の星だっただけに、ここ最近調子が悪かったのはファンの方たちも心配していただろう」と、ひと安心。

「若い選手がどんどん英樹を見て、ヨーロッパ、アメリカに挑戦する選手もすごく増えている。それを踏まえて言えば、彼がもっと若手の“引率係”としてしっかりとやっていかないといけない。まだまだ(25日で)32歳だし。良い目標に彼がなれるのは、素晴らしいと思う。これを弾みにして、これからどういうゴルフをするかが玄人的には非常に楽しみです」と目を細めた。

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