華やかに 薩摩切子でひな壇飾り 「幻の黄色」発色 成功35年の節目 鹿児島・磯工芸館

薩摩切子をひな人形に見立てたひな壇飾り=鹿児島市吉野町の島津薩摩切子ギャラリーショップ磯工芸館

 島津薩摩切子ギャラリーショップ磯工芸館(鹿児島市吉野町)で、薩摩切子をひな人形に見立てたひな壇飾りが公開されている。「幻の薩摩切子」と言われた黄色の復元に成功してから35年の節目にあたり、黄色の作品を多く展示。舟形鉢の復元品や薩摩切子作家・中根櫻龜(おうき)さんの作品など約40点が並ぶ。4月7日まで。

 黄色の薩摩切子は、文献のみで現物が残っていなかったが、1989年に復元に成功した。島津興業(同市)成形課の園田新太郎主任(42)によると、黄色は熱のかけ方一つで透明感やくすんだ色味になるかが分かれる。製作に20年以上携わる園田さんでも失敗することがあり「とても気を使う色」と評する。

 企画したスタッフの有村真菜さん(21)は「珍しい色ではあるが、黄色の切子があるだけで全体の雰囲気がガラリと変わる。色合いをぜひ楽しんで」と呼びかけた。

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