ダカールラリー完走!オフロードライダー・池町佳生 地元・神戸のよさは「東西南北が自然にわかる」

池町佳生さん

今年1月、サウジアラビアで行われたダカールラリーをバイクで完走した神戸出身のライダー・池町佳生さん(52)が、2月5日にラジオ関西で放送された番組にゲスト出演。ライダーになったきっかけ、地元・神戸の魅力、ダカールラリー参加の思い出などを語りました。

【写真】世界一過酷と言われる「ダカールラリー」で見事に完走を果たした池町佳生さん

池町さんがバイクの世界に足を踏み入れたのは高校生の頃、野球部の先輩の影響を受けたことがきっかけだったといいます。「箕谷とかの裏の方に山がずっとあって、そこで走っていたのが始まり」という池松さんは、「道なき道を探検するのが好き。バイクを使うと、より(遠くに)行けるのが楽しかった」ことで、オフロードを走ることに開眼。23歳のときには海外ラリーにも参加。2輪、4輪も含めて、オフロードレーサーとして活躍していきます。

そんな池町さんは、「自分の中では、もう昔から外せないところ。ホームタウンは絶対に変えたくない」という神戸っ子。その港町で育った利点に挙げたのが、「東西南北が自然にわかること」。南に海、北に山があり、太陽を見ることで、方向感覚が養われたそうです。「もともと人よりちょっと良かったみたい。迷いにくい。だから地図は『まわさない』ですね」。

実際、道なき道を走るラリーでは平面の地図では分からない急な坂や遮蔽物があり、それらを避けて走ると知らぬ間にコースから外れてしまうこともあるため、数十キロ先に見える山や太陽、雲の位置を覚えながら走っていると明かしていました。

そして今回、持ち前の方向感覚と地元・神戸の自然に育まれた実力で挑戦したダカールラリーについて、池町さんは「ラリー中に亡くなる人もいる」と、“世界一過酷なモーターレース”の過酷さを明かします。

「今は制限がかかって160kmしか(スピードを)出せないんですが、それでもオフロードで160kmを出すと危険なんです、転ぶと横に倒れたりせず縦に回るんですよ。バイクもバラバラになりますし人体へのダメージも相当なものになりますね」

ラリー中は各車両に衛星電話が配布され、緊急時はヘリの要請もできるようになっているものの到着に30分ほど要するため、その間に救命救急の資格を持つライダーが心肺蘇生などの応急処置を行う場合もあるのだと言います。

今回、池町さんはダカールラリーのバイク部門に参戦。現地時間の1月5日からスタートしたなか、約8000キロのタフなコースを走り切って、見事に完走を果たしました。

リスクもある一方で、レースや、ラリーレイドへの大きな魅力もあるのだと池町さんは語ります。

「私も若い時から参加していますが、何百人という外国人の方と一緒に食事をして移動していると、言葉が通じないのに連帯感が生まれるんですよね。それで知り合って、今もまだつながりのある人もいます。『おまえ来たか!』『帰ってきたな!』みたいな感じで、じじい同士、おばちゃんたちが言ってくれるんですよ。昔はみんな若かったんだけどね(笑)。そんな(出会いの)感覚が、自分の中ではすごいことだと思っています」(池町さん)

ちなみに、池町さんいわく、ダカールラリーは「賞金ないです」「対価を求めて走っていないので」。これにはラジオ番組『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』(ラジオ関西)パーソナリティーの林歳彦氏(会社経営者、環境活動家)と田中大貴(フリーアナウンサー)も驚愕していました。

普段は車のインストラクターや、地盤調査の仕事をしている池町さん。次も自費で国内のレースに参戦するそう。また、8月には新興勢力となっている中国ブランドからの誘いで、アジアのクロスカントリーラリーを走ることも予定していると話していました。

このたび、パリから帰国した翌日にラジオ収録に臨んだ池町さん。「時差ボケは以外に大丈夫な方で、すぐ寝ちゃうと、また朝起きたらもうすぐにリセットされます(笑)」と、終始元気な声を聞かせ、そのタフさでもパーソナリティー陣はビックリの様子。

番組の最後、今後の目標については問われた際は、「特に目標を立てているわけではないのですが、ラリーに出たいというより、『あの場にいたい』という気持ちが大きい」と、レーサー、ライダーとしての率直な心境を吐露。若手の台頭にも期待を寄せており、「今回(ダカールラリーに)出たとき、若い方々から『出たい』という声ももらったので、そのサポートとかいろんなことをしていきたい。自分もそれにひっついてあの場へ行ければいいなと思う」と、池町さんは前を向いていました。

※ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』2024年2月5日放送回より

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